ヴィッカース・アームストロング

ヴィッカース・アームストロング (Vickers-Armstrongs Limited)

概要

ヴィッカース・アームストロングは、1927年にヴィッカースとアームストロング・ホイットワースが合併して誕生したイギリスの製造企業です。この会社は、航空機、艦船、兵器など多岐にわたる製品を手がけ、イギリスの産業界に大きな影響を与えました。1977年には、ヴィッカース plcが独立し、その後の企業構造に変化が見られましたが、残る事業の多くは1960年代以降国営化されました。

会社の歴史

ヴィッカース社は、第一次世界大戦中に製造を開始した重機関銃や、軽機関銃、戦車砲など、多くの火器を生産しました。特にバレンタイン歩兵戦車は第二次世界大戦での大量生産に貢献し、会社の名を広める要因となりました。また、1929年には铁路車両製造を手掛けるキャメル・レアードを併合し、メトロポリタン・キャメルを設立。軍用車両なども製造しました。

合併の結果、カンブリアのバロー＝イン＝ファーネスやタイン河口のハイウォーカーに造船所を持ち、世界有数の軍艦メーカーとしての地位を確立しました。この造船所では、イラストリアス級航空母艦やタウン級巡洋艦の建造が行われ、第二次大戦では潜水艦へのエンジン供給も手がけました。

航空機事業

1911年に航空機事業を始めたヴィッカースは、アームストロング・ホイットワースの航空部門が他社に吸収されたため、合併後も独自の航空機部門を維持しました。1928年には子会社としてヴィッカース（アビエーション）を立ち上げ、その後スーパーマリンとの合併を経て、スーパーマリン・アビエーション・ワークス（ビッカーズ）となります。1938年にはヴィッカース・アームストロング（エアクラフト）として組織を再編し、戦間期にはウェルズレイの開発に成功し、この技術は第二次世界大戦中のウェリントンに活かされました。

解体とその後

1960年代に入ると、航空機部門はブリストルなどと合併し、ブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーションが設立されました。ヴィッカースはこの企業の株式の40%を保有していましたが、1977年には国営化されてブリティッシュ・エアロスペース（BAe）となります。造船事業も同様で、1977年には国営化され、その後民営化されました。

ヴィッカースの様々な部門が再編成される中で製鋼部門はブリティッシュ・スチール、軍用車両部門はヴィッカース plcへ移管されました。また、現在の造船所はBAEシステムズによって所有されています。ヴィッカース・アームストロングは、イギリスの戦争産業において重要な役割を果たし、その遺産は今なお様々な形で残っています。

参考文献

• - Andrews, C F. Vickers Aircraft since 1908, Putnam, 1969.
• - Scott, J.D. Vickers: A History, Weidenfeld & Nicolson, London, 1962.

外部リンク

• - Vickers Photographic Archive

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