8 (THE YELLOW MONKEYのアルバム)

アルバム『8』 - THE YELLOW MONKEY

日本のロックバンドTHE YELLOW MONKEYにとって、2020年にリリースされた8枚目のオリジナルアルバム『8』は、彼らの音楽的な歴史の中で重要な位置を占める作品です。2000年7月26日にBMGファンハウスから発売されたこのアルバムは、前作『PUNCH DRUNKARD』から約2年4か月という長い間を経てのリリースでした。この期間は、バンドにとっても最も長いものであり、多くのファンにとって待望の新作となりました。

アルバム制作の背景には、113本にも及ぶ『PUNCHDRUNKARD TOUR』に伴う活動休止や、外部プロデューサーとのコラボレーションがあります。その影響で、バンドのサウンドは新たな方向性を見せ、これに否定的な意見を持つファンもいました。吉井和哉は本作にテーマやコンセプトは特になく、これまでの試行錯誤を反映したドキュメント性の強いアルバムだと説明しています。

アルバムタイトルの『8』は、8枚目のオリジナルアルバムという意味と、コンサートツアー「SPRING TOUR」に関連した「蜂」との二重の意味を持っています。また、アルバムのジャケットデザインは、著名な写真家スティーブ・マッカリーによるもので、アートディレクションは原神一が担当しました。ジャケットのビジュアルは、既存の作品を新たに解釈する形で選ばれ、バンドメンバーの反響も大きかったと言います。

アルバムには新曲が7曲収録され、全14曲のうち半数が新曲という内容になっています。これに対してベースの廣瀬洋一は、ファンに対して責任を感じ、過去の作品に捉われないフレッシュなサウンドを求めました。また、メジャーデビュー以降のアルバムには含まれていた菊地と廣瀬の作曲作品は今回は採用されていません。

収録されている楽曲には、オープニングトラックの「ジュディ」や、シングルのカップリング曲「DEAR FEELING」など多様なスタイルの楽曲が揃っています。「サイキック No.9」は、ライブで先行披露され、深いインスピレーションを受けた作品として作られました。

「メロメ」は、全編ピアノとストリングスだけで編成され、吉井の内面を描写した詩的な楽曲です。また、「人類最後の日」は、初めてバンドのセッションから生まれた曲であり、歌詞が存在しないが特異な声のサンプリングが使われています。これらの楽曲は各メンバーの個性が反映されており、バンドの新たな挑戦を象徴しています。

さらに、アルバムの初回限定盤にはボーナスCDが収録されており、そこには「第一期THE YELLOW MONKEY」の最後の曲としての意向が込められています。これを持つファンは、より一層の特別な意味を感じることでしょう。

まとめ

アルバム『8』は、THE YELLOW MONKEYの音楽的に重要な里程標となっており、彼らの過去の歴史やファンとの関係を再確認させられる作品です。これを通じて、バンドの新たなスタートラインを意識させる一枚として位置づけられるでしょう。

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