80式魚雷

80式魚雷について

80式魚雷（はちまるしきぎょらい）は、海上自衛隊によって運用される国産の長魚雷であり、アクティブかつパッシブなソナー機能を備えた有線ホーミング装置を使用しています。この魚雷は、対潜水艦および対水上艦を対象とした兵器として設計されており、1980年に制式採用されました。開発には自衛隊技術研究本部が関与し、製造は三菱重工業が行いました。

開発の背景

1960年代末、日本の海上自衛隊は潜水艦に搭載するために、アメリカ製のMk.37魚雷を導入していました。しかし、1970年代に入ると、アメリカではより性能の高いMk.48の導入が始まるなど、世界的に魚雷の性能向上が求められるようになりました。これに応じて、日本でも新たな潜水艦用魚雷の開発が計画され、1965年から開発が始まりました。
実用試験は1975年から行われ、約5年の開発を経て、Mk.37を上回る性能を持つ魚雷が完成しました。これが80式魚雷として制式化されました。

80式魚雷の特長

80式魚雷は、従来のMk.37魚雷とは異なり、有線誘導方式を採用しています。これにより、より高精度での誘導が可能となり、戦術的な柔軟性も向上しました。胴体の直径はMk.37と同じ48.3cmですが、その他のサイズは非公開であり、総じてMk.37と同等と考えられています。また、海上自衛隊が運用する潜水艦の魚雷発射管は直径533mmで、80式魚雷はスイムアウト方式で発射されます。

そして、80式魚雷は酸化銀電池を用いた電気推進方式を採用しており、推定30ノット以上の速度を発揮します。この性能はMk.37を上回るものであり、より高性能な兵器としての特性を備えています。

今後の発展

80式魚雷の技術による成果は、その後の魚雷開発においても受け継がれました。特に、より大型かつ高速な89式魚雷（開発名称G-RX2）の開発にも寄与しました。これにより、日本の潜水艦戦力はさらに強化されていくこととなります。

参考文献

本記事の情報は以下の文献に基づいています：

• - 自衛隊装備年鑑 2006-2007、朝雲新聞社、ISBN 4-7509-1027-9 P343
• - 『丸スペシャル』 No76、水雷兵器、潮書房、1983年 P43

以上が80式魚雷の概要とその背景、特長に関する詳細です。このように、日本の自衛隊は常に最新技術を取り入れながら、自国の防衛力を強化し続けています。

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