99式弾薬給弾車

99式弾薬給弾車について

99式弾薬給弾車（きゅうきゅうしきだんやくきゅうだんしゃ）、通称「ASV」は、陸上自衛隊の装備中でも特に重要な役割を持った弾薬供給車両です。この車両は、主に99式自走155mmりゅう弾砲に運用されるために設計され、1999年に正式に採用されました。製造を担当したのは日立製作所であり、陸上自衛隊の火力支援を強化するための特化した装備品といえます。

概要と特徴

99式弾薬給弾車は、装軌式の車両で、固有の武装は持たず、むしろ弾薬と装薬の迅速な供給を主眼に置いて設計されています。73式けん引車の派生型であり、いくつかの構成要素が共通しています。この車両は、99式自走155mmりゅう弾砲に弾薬を自動で補給するため、後方に配置しベルトコンベアを使用して効率的な供給を行います。弾薬の積載量は90発とされており、これにより戦闘継続時間を大幅に延ばすことを可能にしています。

当初の計画では、99式自走155mmりゅう弾砲1両に対して99式弾薬給弾車も1両を配備する予定でしたが、財政事情により十分な数の調達が実現しなかったため、部隊単位での運用に変更されました。例えば、平成16年度の調達数はわずか1両で、その価格は約4億円と高額です。

主な配備部隊

99式弾薬給弾車は、以下の部隊で使用されています：

• - 陸上自衛隊富士学校
• - 富士教導団
• - 特科教導隊（第3中隊）
• - 陸上自衛隊武器学校
• - 北部方面隊
• - 第2師団およびその関連部隊
• - 第5師団や第7師団の特科隊

技術的仕様

この車両は、2名の乗員を搭載可能で、全長約6.7メートル、全幅約3.2メートル、高さは約3.1メートルというサイズです。全備重量は約33トンで、最高速度は約47km/hに達します。動力源としては、V型水冷の2サイクルディーゼルエンジン（出力411kW）を搭載しており、比較的高い機動性を誇ります。

まとめ

99式弾薬給弾車は、陸上自衛隊にとって火力支援に必須の装備品として位置づけられています。特に、迅速な弾薬供給を実現することにより、99式自走155mmりゅう弾砲の戦闘力を高め、効果的な運用を支える重要な役割を担っています。この車両は、日本の陸上戦力を強化するための重要な要素であり、自衛隊の現場で欠かせない存在となっています。

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