富士教導団

富士教導団について

富士教導団（JGSDF Fuji School(Combined Training)Brigade：FSB）は、陸上自衛隊富士学校の隷下にあり、静岡県駿東郡小山町の富士駐屯地に団本部を置く教育支援部隊です。主に富士学校の幹部学生に対する戦闘訓練の支援、および富士総合火力演習の実施を主な任務としています。

概要

富士教導団は、将来の陸上自衛隊を担う幹部自衛官を育成する富士学校において、実践的な教育訓練を支援する重要な役割を担っています。特に、幹部学生が実際に部隊を指揮する訓練においては、北海道以外の部隊では唯一、90式戦車や89式装甲戦闘車といった陸上自衛隊の最新鋭装備が配備され、より実戦に近い環境での訓練が可能です。

また、富士教導団に所属する普通科教導連隊の隊員を主力とする「滝ヶ原自衛隊」は、富士登山駅伝において常勝チームとして知られています。

沿革

富士教導団の歴史は、1961年（昭和36年）に滝ヶ原分屯地に新編された富士教導隊に遡ります。当初は、普通科教導連隊、特科教導隊、特車教導隊、偵察教導隊、および第110施設大隊が富士学校長から配属されていました。

その後、1965年（昭和40年）に富士教導隊が富士駐屯地に移駐し、教導部隊の指揮系統の一元化のため、富士教導団が新編されました。この際、普通科教導連隊、特科教導隊、戦車教導隊、偵察教導隊、第110施設大隊が隷下に編合されました。

2000年（平成12年）には、本部付隊に対舟艇対戦車隊が新編され、MPMS（多目的誘導弾システム）が導入されました。2002年（平成14年）には、第110施設大隊が廃止され、教育支援施設隊が新編されました。

2019年（平成31年）には、戦車教導隊と偵察教導隊が駒門駐屯地に移駐し、東部方面混成団隷下の第1機甲教育隊と統合され、「機甲教導連隊」として新編されました。

2024年（令和6年）には、富士教導団教育隊が富士学校自動車教習所に改編されました。

部隊編成

富士教導団は、以下の部隊で構成されています。

富士教導団本部
富士教導団本部付隊「富団-本」
対舟艇対戦車隊：96式多目的誘導弾システムを装備
普通科教導連隊（滝ヶ原駐屯地）
機甲教導連隊（駒門駐屯地）
特科教導隊
教育支援施設隊（滝ヶ原駐屯地）
富士学校自動車教習所（滝ヶ原駐屯地）
整備支援部隊
東部方面後方支援隊富士教育直接支援大隊

主要幹部

主要幹部については、最新の情報をご確認ください。

廃止（改編）部隊

過去に存在した、または改編された部隊は以下の通りです。

第110施設大隊：2002年（平成14年）に教育支援施設隊に改編。
戦車教導隊：2019年（平成31年）に機甲教導連隊に改編。
偵察教導隊：2019年（平成31年）に機甲教導連隊に改編。

脚注

出典：
『陸上自衛隊富士学校・富士駐屯地開設50周年記念誌』（陸上自衛隊富士学校・富士駐屯地編 H16）

関連項目

教導隊 ([[陸上自衛隊)]]

外部リンク

陸上自衛隊富士学校HP（富士学校の組織）
* 滝ヶ原駐屯地公式ホームページ所属部隊

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