A-17 (航空機)

A-17（ノースロップ A-17）

ノースロップ社が開発したA-17は、アメリカ陸軍で使用された攻撃機であり、イギリス連邦では「ノウマッド（Nomad）」と呼ばれました。この機体の設計は、全金属製の高速郵便機であるガンマ（Gamma）を母体にしています。具体的には、試作機YA-13から始まり、1934年6月に陸軍に納入されました。その後も数回の改良を重ね、最終的にA-17として制式化されました。さらに、同じくガンマを基にした攻撃機A-33も製造されています。

概要

A-17は、複座の単発・単葉機であり、初期型では固定脚を装備していましたが、A-17Aでは引き込み式の主脚に改良されました。また、急降下時の制動用に特別なフラップを備えており、この設計は後にダグラス社が開発した海軍のダグラスSBDドーントレス爆撃機にも影響を与えています。

A-17の母体となったガンマ機は、1933年に日本海軍に輸入され、研究目的で使用されました。ガンマの2E型と2F型は、それぞれ日本での役割が異なり、海軍からは特定の略符号が付与されました。特に、ガンマ2Fは後に満州飛行機によっても研究に活用されています。

設計と製造

ノースロップ社は1933年に、GA-13という自社製レーサーの攻撃機型を自主的に製作し、アメリカ陸軍航空隊に提案しました。その結果、YA-13として受け入れられ、良好なパフォーマンスを示しました。これにより、陸軍は110機の発注を行い、YA-13のエンジンは最初710馬力のライトR-1820-37でしたが、パワー不足が露呈したため、後に800馬力のプラット・アンド・ホイットニーR-1830-7に変更されました。これに基づき、YA-13を改良したXA-16が登場しました。

XA-16はエンジンの強化により操縦性に問題が生じ、ノースロップ社はガンマ2F型に750馬力のエンジンを搭載した新型を提案し、A-17として采配されました。

A-17の引き渡しと発展

110機のA-17の納入は1935年8月から始まり、翌年には第3および第17攻撃グループへ配属されました。また、その後に発注されたA-17Aは、主脚を引き込み式にし、エンジンを825馬力に改良したバージョンです。合計129機のA-17Aが生産され、当初の計画を持ってイギリスやフランスに向けた改修も予定されましたが、フランスの降伏に伴い、実際の輸出には至りませんでした。イギリスではほんの数機が使用されたことが確認されています。

A-17Aには政府高官の移動を目的とした3座型もあり、こちらは特別にA-17ASと称されています。これも別ⅽのエンジンを搭載して運用されました。

A-33とその後の展開

A-17の設計は後にダグラス社に引き継がれ、輸出用にモデル8Aとして製作されました。固定脚タイプのA-17はアルゼンチンとスウェーデンに売却され、さらにスウェーデンではライセンス生産が行われました。

また、A-17Aの系譜である8A-5は、ペルーやオランダ、その他の国に輸出される際にも製造され、特にペルーではいくつかがアメリカ陸軍航空隊によって引き取られ、訓練用途に活用されました。

戦歴

中華民国空軍は、合計45機のA-17とガンマ2Eを受領し、上海方面への攻撃任務に配備しました。こうした活躍を通じて、A-17は実戦において重要な役割を果たしました。

性能諸元（A-17A）

• - 乗員：2名
• - 全長：9.65 m
• - 全幅：14.55 m
• - 全高：3.66 m
• - 翼面積：33.63 m²
• - 自重：2,316 kg
• - 総重量：3,422 kg
• - エンジン：プラット & ホイットニー R-1535-13
• - 最高速度：354 km/h
• - 巡航速度：274 km/h
• - 航続距離：1,178 km
• - 上昇限度：5,910 m
• - 武装：7.62 mm 機銃 ×4（主翼固定）、後部旋回 ×1
• - 爆装：181 kg（100ポンド爆弾 ×4）

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