A-VX

A-VXは、日本電気（NEC）が開発したオフィスコンピュータ向けのオペレーティングシステム（OS）です。その歴史の中で、主に3つの系統に分類できます。

A-VXの主な系統

1. S3100/S7200シリーズ向けOS (A-VX10, A-VXII):
NECのオフィスコンピュータS3100およびS7200シリーズ上で動作したOSです。
これらのOSは、ITOSというアーキテクチャを受け継いでいます。

2. Express5800シリーズ向けミドルウェア (A-VXIV, A-VX01):
S3100/S7200シリーズの後継として発売されたExpress5800/600AiおよびExpress5800/600xiシリーズ上で動作します。
これらは、既存システムからの移行を容易にするためのミドルウェアとして開発されました。
従来のITOSベースのシステムとの互換性を維持しつつ、新しいプラットフォームへの移行を可能にしました。

3. S3050シリーズ向けOS (A-VX5):
NECの別のオフコンS3050シリーズ上で動作したOSです。
こちらは、NTOSという異なるアーキテクチャを基盤としています。

詳細な説明

A-VX10とA-VXII:
これらのOSは、ITOSの設計思想を継承して開発されました。ITOSの後継として位置づけられています。
一方、A-VX5はNTOSを基盤としており、アーキテクチャが異なります。

A-VXIVとA-VX01:
S3100/S7200シリーズで利用されていたITOS（およびその後継のA-VX10/A-VXII）は、Express5800シリーズで採用されたMicrosoft Windows NT系とは互換性がありませんでした。
そのため、A-VXIVとA-VX01は、S3100/S7200シリーズ上で動作していた既存のアプリケーションやデータを変更することなく、後継機種に移行できるように開発されました。
NECは、これらのミドルウェアを単なるエミュレータとは捉えていません。異なるアーキテクチャを持つコンピュータ上で既存のソフトウェアを移行できるだけでなく、より高度な機能を提供することを主張しています。

例として、以下の点が挙げられます。
既存の自社設計RDBを継承しながら、Windows NT系側のOracleやSQL Serverに直接アクセスできます。
自社設計のRDBには、ExcelなどのWindows NT系のアプリケーションからアクセスできます。
Webベースのアプリケーションと既存のCOBOLアプリケーションを連携運用できます。

A-VXの歴史

NTOS系:
A-VX5 (開発終了)

ITOS系:
A-VX10 (開発終了)
A-VXII (開発終了)
A-VXIV (1999年6月30日（R3.0）～2003年6月16日（R6.5）開発終了)
A-VX01 (2003年12月1日（R1.0）～2008年12月22日（R6.0）開発終了)
A-VX02 (2009年11月27日（R1.0）～2014年02月28日（R3.6）開発終了)

関連事項

JIPS

参考情報
オフコン練習帳NECのオフコン情報

参考文献
* 日本電気. “A-VX01”. 製品＆サービス ＞ ビジネスソフトウェア ＞ OS. 日本電気. 2009年3月7日閲覧。

これらの情報をまとめると、A-VXはNECのオフコン環境において、システムの進化に対応し、既存の資産を有効活用するための重要な役割を果たしたOSであることがわかります。

もう一度検索