JIPS

JIPS（Japanese Information Processing System）とは

JIPSは、NECが開発した日本語情報処理システムです。しかし、実際には「JIPS」という用語は、このシステムで使用される漢字コードを指すことが多いです。本稿では、この漢字コードについて詳しく解説します。

JIPS漢字コードの概要

JIPSで使用される漢字コードは、JIS C 6226-1978をベースに拡張された符号化文字集合です。具体的には、JIS規格にはない拡張文字を9区から13区に登録し、さらにGR領域（Graphical Right：右側領域）には「G1集合」と呼ばれる拡張文字群を登録しています。

JIPS漢字コードのバリエーション

JIPSの漢字コードには、以下の4つのバリエーションが存在します。

1. JIPS(J): JIPSの基本となるコード体系です。
2. JIPS(E): JIPS(J)の1バイト目と2バイト目をそれぞれEBCDICコードに変換したものです。
3. NEC内部コード(J): JIPS(J)の1バイト目をASCIIコードと重複しないようにシフトしたものです。
4. NEC内部コード(E): NEC内部コード(J)の1バイト目と2バイト目をそれぞれEBCDICコードに変換したものです。

これらのバリエーションは、異なるシステムで使用されていました。

• - JIPS(J)は、主にNECの大型汎用機『ACOS-6』で利用されていました。
• - JIPS(E)は、『ACOS-2』や『ACOS-4』などのシステムで使用されました。
• - NEC内部コード(E)は、『ITOS』や『A-VX』といったオフィスコンピュータで利用されていました。

また、かつてはNEC内部コード(J)を使用する業務用マシンとして、『NTOS』や『PTOS』が存在しました。

JIPSの外字領域

JIPSでは、ユーザーが独自に文字を定義できる外字領域が用意されています。具体的には、以下の領域が外字として利用可能です。

• - 1面(G0): 84区から94区までの領域で、1,034文字が利用可能です。
• - 2面(G1): 64区から94区までの領域で、2,914文字が利用可能です。

合計で3,948文字の外字を定義できます。

この外字領域の概念は、eucJP-MSが1面(G1)の84区から94区と2面(G3)の84区から94区に合計2,068文字のユーザー外字領域を持つことに似ています。

ただし、JIPSとeucJP-MSでは外字領域の扱いが異なります。JIPSの1面(G0)はGL表現（左側領域）であるのに対し、eucJP-MSの1面(G1)はGR表現（右側領域）です。また、JIPSの2面(G1)はG0からシフト符号なしで面を切り替えられますが、eucJP-MSの2面(G3)はG1からシングルシフトで切り替える必要があります。

まとめ

JIPSは、NECが開発した日本語処理システムであり、特に漢字コードを指すことが多いです。JIS C 6226-1978をベースに拡張され、複数のバリエーションが存在します。また、ユーザーが独自に文字を定義できる外字領域も備えています。JIPSは、過去のNEC製システムにおいて重要な役割を果たしていました。

関連情報

• - 文字コード
• - Microsoftコードページ932
• - EBCDIC
• - IBM漢字システム
• - JEF漢字コード
• - KEIS

外部リンク

• - [（関連する外部リンクがあればここに記述）]（URL）

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