AAM-2

AAM-2 空対空ミサイル

AAM-2は、かつて日本が独自に開発した空対空ミサイルです。航空自衛隊での採用を目指しましたが、最終的には制式採用は見送られました。

開発の経緯

1968年、航空自衛隊の次期主力戦闘機としてF-4Eの改修型が選定された際、AIM-4Dファルコン・ミサイルの搭載が選定理由の一つとなりました。これを受け、国産ミサイル開発の機運が高まります。

1969年に69式空対空誘導弾が制式化された後、1970年よりF-4搭載用空対空ミサイルとしてXAAM-2の開発がスタートしました。開発は技術研究本部と三菱重工が担当し、性能目標はAIM-4Dを上回ることでした。

AAM-2の特徴

誘導方式はAIM-4Dと同様に赤外線ホーミングを採用していますが、AAM-2では敵機前面や側面からの攻撃を可能とする全方位攻撃型赤外線ホーミングを限定的に採用し、より柔軟な運用を目指しました。また、高性能ロケットモータの使用により、運動性と射程の向上が図られています。

さらに、AIM-4Dの弱点であった弾頭威力と近接信管の問題を解決するため、AAM-2では弾頭威力を向上させ、近接信管も装備されました。電子機器の信頼性向上も図られ、外見こそAIM-4に似ているものの、中身は全くの別物と言えるほどでした。

開発中止の経緯

XAAM-2は発射試験も実施され、実用化直前まで開発が進みました。しかし、ベトナム戦争後のアメリカ製AIM-4Dの余剰在庫が発生し、性能面ではAAM-2が上回るものの、コスト面で輸入に及ばないことが判明しました。結果として、航空自衛隊はAIM-4Dを輸入することになり、XAAM-2の開発は1975年に中止されました。

国産ミサイルの開発は、技術力向上に大きく貢献しましたが、当時の国際情勢とコストの壁に阻まれ、日の目を見ることはありませんでした。

関連項目

航空自衛隊の装備品一覧
空対空ミサイル
69式空対空誘導弾
90式空対空誘導弾

外部リンク

* 飛行開発実験団 過去の主要試験等 － 誘導武器 1967-1999

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