AC3D

AC3Dは、1994年に誕生した老舗の3Dデザインソフトウェアです。その歴史はAmigaでの開発に始まり、シリコングラフィックスのワークステーションへの移植を経て、Linux版、Windows版、Mac OS X版とプラットフォームを拡大してきました。特に、ゲームやシミュレーション分野での3Dグラフィック制作に強みを発揮し、Laminar Research社のフライトシミュレーターX-Planeのシーン制作では欠かせないツールとなっています。また、AC3D独自のファイル形式である.ac形式は、オープンソースのフライトシミュレーターFlightGearでも、背景オブジェクトや航空機モデルの作成に用いられています。

歴史

AC3Dのルーツは、Amigaプラットフォームでの開発にあります。その後、GLグラフィックライブラリを利用してシリコングラフィックスのワークステーションに移植されました。当時のユーザーインターフェースは、X Window SystemとMotifを用いて実装されていました。1994年にはLinux版がリリースされ、この際にグラフィックライブラリがOpenGLに置き換えられました。Microsoft Windows版は、移植性の高いTcl/Tkスクリプトライブラリを採用し、X Window Systemインターフェースを廃止することで、その後に登場しました。2002年には、Inivis LimitedがAC3Dの全知的財産権を取得し、ソフトウェアの開発と販売を引き継ぎました。同社は、ソフトウェアの名称をAC3Dのまま維持することを決定しました。2005年には、Mac OS X版がリリースされ、より多くのユーザーが利用できる環境が整いました。

モデリング

AC3Dは、ポリゴンベースのモデリングとサブディビジョンサーフェイスモデリングの両方をサポートしています。他の3Dソフトウェアとは異なり、ポリゴンそのものよりもサーフェイスに重点を置いている点が特徴です。AC3Dにおけるサーフェイスは、ポリゴン、ポリゴンのアウトライン、またはラインとして表現できます。AC3Dのオブジェクトは、これらのサーフェイスの集合体として構成されます。

3D形式

AC3Dは、多種多様な3Dファイル形式の読み込みと書き出しに対応していますが、最も一般的に使用されるのは、独自のASCIIベースの.acファイル形式です。Inivisは、セカンドライフのsculpted prim形式の公式認可されたサポートを提供する最初のサードパーティーベンダーでもあります。他の3Dソフトウェアパッケージ向けのエクスポーターも存在しますが、Inivisが公式にサポートしているのは、自社製のエクスポーターのみです。

スクリプト及びプラグイン

AC3Dの機能拡張は、Tcl/TkスクリプトやC/C++で作成された動的ライブラリ（プラグイン）によって実現できます。ソフトウェア開発キット（SDK）は、ライセンスを持つユーザー向けに提供されており、高度なカスタマイズが可能です。

出典

Inivis Limited
AC3D file format

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