AC58 ライフルグレネード

AC 58（Anti-Char, 58 mm）について

AC 58は、フランス陸軍での使用を目的とした対装甲車両用の22mmライフルグレネードです。その正式名称は「Grenade à fusil antichar de 58 mm Mle F1 PAB」とされており、特に装甲車両に対する有効な攻撃手段として位置付けられています。設計上、AC 58は成形炸薬弾を採用しており、装甲貫通能力において非常に優れた性能を持っています。

設計特徴

AC 58の弾頭は成形炸薬を使用しており、高い貫通力を持つことが特徴です。尾部には飛翔姿勢安定のための安定翼が装着されており、これによって飛行中の安定性が保たれています。信管には弾頭点火弾底起爆式信管（PIBD信管）が採用されており、発射時には安全ピンを外さない限り信管は起動しない仕組みになっています。このデザインにより、発射時の安全性が高まっています。

加えて、AC 58は発射方式によっていくつかの派生型が存在します。

• - F1型: 発射薬筒方式を採用し、空砲で発射されるスタイル。
• - F2型: 弾丸トラップ方式に基づき、通常の弾薬で発射されることが特徴です。

使用方法

AC 58は主に直接照準で発射され、多くの火器と組み合わせて使用されます。フランス陸軍のFA-MAS小銃には、アリダード式のライフルグレネード照準器が取り付けられ、有効射程は75メートルから100メートルに設定されています。

特に注目すべきは、最適な角度で着弾することで、250mmの均質圧延鋼装甲（RHA）や800mmの鉄筋コンクリートを貫通する能力がある点です。この性能は、敵の重厚な防御に対して非常に効果的なアプローチとなります。さらに、AC 58の弾頭はLuchaire SA製の携帯式対戦車ロケットランチャー「Wasp 58」でも使用されています。このように、AC 58はフランス軍の防護を突破するための重要な武器体系の一部として位置づけられています。

関連情報

AC 58に関する理解を深めるために、関連する武器体系についても知識を広げると良いでしょう。例えば、フランス陸軍で使用されるFA-MAS小銃や、同じくライフルグレネードとして知られているAPAV40などは、AC 58の運用に重要な役割を果たしています。これらの武器は、互いに補完関係にあり、フランス軍全体の戦闘力を向上させるために不可欠な存在です。

AC 58は、対装甲戦闘の分野において強力な選択肢を提供しており、戦場において効率的な攻撃を行うための重要な武器として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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