ACID (DTMソフト)

ACID：ループシーケンスの先駆者、進化を続ける音楽制作ソフト

ACIDは、MAGIX社が開発したWindows向けデジタル・オーディオ・ワークステーション（DAW）ソフトウェアです。日本ではソースネクスト社が販売およびサポートを行っています。ループシーケンス機能を初めて搭載したソフトウェアとして知られ、その革新的な機能から、ループシーケンサーのパイオニア、元祖と称されるほど大きな影響を与えました。

楽器演奏経験がなくても楽曲制作が可能

ACIDの最大の特徴は、その直感的な操作性です。専用ファイルであるアシッダイズ化されたオーディオファイルを、エクスプローラー画面からドラッグ＆ドロップするだけで、テンポやキーを自動調整し、楽曲を作成できます。音楽理論や楽器演奏の経験がなくても、容易に楽曲制作を楽しめる点が、DTM（デスクトップミュージック）の世界に新風を吹き込みました。

進化を続けるDAWシステム

初期のバージョンから機能は大きく向上し、上位版ではMIDIデータの取り扱い、ハードディスクレコーディングにも対応するなど、本格的なDAWシステムへと進化を遂げています。様々な楽器音源やエフェクト、そして直感的な操作性を兼ね備えることで、初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザー層に支持されています。

開発・販売の歴史

ACIDは、1998年にSonic Foundry社から最初のバージョンがリリースされました。その後、Sony Pictures Digital社、Sony Media Software社などを経て、Sony Creative Software社へと移り変わります。2015年には、ソースネクスト社が日本国内での販売権を獲得し、独占販売を開始しました。さらに2016年には、MAGIX社がACIDシリーズを買収し、現在に至ります。長年に渡り、多くの企業が関与してきた歴史を持つソフトウェアと言えるでしょう。日本市場においては、フックアップ社が長らく販売・サポートを担当していましたが、2015年にソースネクスト社に引き継がれています。

バージョンアップの歴史とラインナップ

ACIDは、長年にわたり継続的なバージョンアップが行われ、機能の改善や追加が繰り返されてきました。2.0から始まり、現在も新しいバージョンがリリースされています。主なバージョンアップ毎の機能追加や改良、そして、それらに対応したOS環境の変化なども含め、開発の歴史を紐解くことは、ソフトウェアの進化を理解する上で非常に興味深いものです。

バージョンアップに伴い、ACID Pro、ACID Pro Suite、ACID Music Studioといった様々なラインナップも展開されています。ACID Proはプロフェッショナル向けの高度な機能を備えたバージョンで、ACID Pro Suiteはさらに多くのプラグインやマスタリングツールが追加された上位版です。一方、ACID Music Studioは、初心者やカジュアルユーザー向けのコンシューマーバージョンとして提供されています。これらのラインナップは、ユーザーのニーズやスキルレベルに合わせて柔軟に選択できるようになっています。

ACIDの貢献

ACIDは、その革新的なループシーケンス機能によって、音楽制作のあり方を変えました。これにより、音楽制作の敷居が下がり、より多くの人が音楽制作を楽しむことができるようになりました。また、様々な機能の追加やバージョンアップにより、現在も進化を続け、多くの音楽クリエイターに愛用されている、音楽制作ソフトの代表格となっています。

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