ACOS-2

ACOS-2 (エイコスツー) について

ACOS-2は、[日本電気]が開発したメインフレームおよびそのOSであるACOSシリーズの一つです。初期のバージョンは、ハネウェル社が開発したOSをベースとしています。2015年時点での名称はACOS-2/MPで、i-PX7300GXハードウェア上で動作していました。

ACOSシリーズにおける位置づけ

ACOS-2は、ACOS-4と兄弟関係にありますが、ACOS-6とはアーキテクチャが大きく異なります。これは、ACOSシリーズの初期にハネウェル社から導入された技術が基盤となっているためです。

メモリ管理方式の変遷

初期のACOS-2では仮想メモリ機構は採用されておらず、物理メモリ空間のみで動作していました。その後、プログラム格納領域とデータ格納領域が個別に割り当てられるセグメント方式を経て、ACOS-4と共通のセグメント化ページング方式へと移行しました。現在のACOS-2は、インテルXeonプロセッサMP上でAEF(ACOS-2 Architecture Execution Firmware)を介して実行されていますが、セグメント化ページング方式のメモリ管理を継承していると考えられます。

文字コード

内部、外部ともに、1バイトを8ビットで扱う[EBCDIC]]-カタカナコードを使用しています。ACOS-4とは共通ですが、ACOS-6とは異なるため、データ交換には文字コード変換が必要です。日本語は、NEC独自のJIPS]コードを使用します。これはJIS C 6226 1978を基に、[EBCDIC変換を施したものです。ACOS-4も[[JIPS]を標準の文字コードとしています。

ファイルシステム

ACOS-2のファイルシステムは、UNIXのようなディレクトリ構造を持たず、ハードディスクごとに存在するVTOC(Volume Table of Contents)という管理領域にすべてのファイルが登録されます。ディレクトリ構造に慣れたユーザーには、ハードディスクごとにルートディレクトリが存在し、その直下に全ファイルが登録されているように見えるかもしれません。ファイル名は英字大文字と数字、そして「@」文字が使用可能で、最大16文字です。「@」文字の直後に特定の文字列を含むファイル名は、システムで予約されたライブラリファイルとして扱われます。

標準入出力

ACOS-2には、ACOS-4と同様に、SYSINと呼ばれる標準入力とSYSOUTと呼ばれる標準出力が備わっています。ただし、JCL（Job Control Language）での入力データとプログラムの関連付け、SYSOUTの使用方法には、ACOS-4との違いがあります。通常、1つのプログラムで使用できる標準入力と標準出力はそれぞれ1つずつです。

兄弟OSとの使い勝手の違い

ACOS-2とACOS-4は、同じハネウェル社の技術を基に開発されましたが、使い勝手にいくつかの違いがあります。

• - バッチ処理の場合、ACOS-2は「アクティビティ→ジョブ→ジョブステップ」の3階層構造であるのに対し、ACOS-4は「ジョブ→ジョブステップ」の2階層構造です。
• - TSS(Time Sharing System)の操作手順や、リモートオペレータ制御卓の操作方法にも違いがあります。

これらの違いは、ACOS-2とACOS-4の開発初期にハネウェル社から提供された技術に何らかの差異があったことが原因であると考えられます。ACOS-4が中型機から大型機へと展開した背景には、ACOS-6との間にある操作性やプログラム作成上の習熟の壁も影響していると考えられます。

歴史

ACOS-2は、以下のバージョンを経て進化してきました。

• - ACOS-2/EF (R1.1 - R4.1)
• - ACOS-2/EVP (R1.1 - R5.1)
• - ACOS-2/XP (R1.1(1994年6月末に公開) - R13.1(2001年4月末に公開；2005年3月31日付で保守停止))
• - ACOS-2/MP (R1.1(2000年7月末に公開) - R12.1(2020年6月25日に公開；最新版))

関連情報

• - 参照: GCOS

参考文献

本記事は、外部リンクで示された情報に加え、実機に付属していた説明書、および実機を使用した経験に基づいて作成されています。記述の一部が現行機種と異なる可能性があることをご了承ください。

外部リンク

• - ACOS-2: ACOSシリーズ - NEC
• - 【日本電気】 ACOS-2 - コンピュータ博物館（情報処理学会）

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