AH-1 (航空機)

AH-1 コブラ

概要

AH-1コブラ（英語: AH-1 Cobra）は、ベル・ヘリコプター・テキストロン社によって開発された、攻撃ヘリコプターの一つであり、世界初の本格的な攻撃ヘリとして知られています。この機体は、1967年にUH-1を基に開発され、その後の各国の攻撃ヘリにも影響を及ぼしました。もともとはAH-56の開発が遅延していたため、これを補うために採用された一時的なモデルでしたが、AH-56の計画がキャンセルされたため、AH-1は主力の攻撃ヘリとして長く運用されることになりました。初飛行は1965年に行われ、1,000機以上が製造されました。

特徴

AH-1コブラは、2名の乗員を乗せるタンデム式コックピットを採用しています。前席には射撃手、後席には操縦士が配置されます。また、機首部には機関砲を搭載し、戦闘時における火力支援を実現しています。主な武装には20mm機関砲やBGM-71 TOW対戦車ミサイルが含まれており、ベトナム戦争や湾岸戦争などの多くの戦いや作戦に投入されました。

アメリカ陸軍はAH-64の採用に伴いAH-1を退役させましたが、改良型であるAH-1Zが海兵隊で運用されているほか、日本の陸上自衛隊など他国でも依然として現役で使用されています。特に日本ではAH-1S型がライセンス生産され、運用されています。

開発の経緯

アメリカ陸軍は1960年代初頭から攻撃ヘリの開発を模索していました。しかし、アメリカ空軍の反対やベトナム戦争での運用経験から、実用的な機体の必要性が高まりました。当初はUH-1のような汎用ヘリを改修して運用するガンシップが考えられていましたが、機体重量増加や生存性の低下といった課題が明らかになり、より専用の攻撃機型を求める声が高まりました。

ベル社は独自に攻撃ヘリの研究を進め、1962年に「D225イロコイ・ウォリア」のモックアップを完成させます。これにより攻撃ヘリの設計に関する先駆的な考え方が示され、後にAH-1開発へと繋がっていきます。1965年には最新のモデル209という機体が開発され、この機体の特性が評価されました。

その結果、1965年にはAH-1Gとして正式にプロトタイプの試作が始まり、1967年には実戦に投入されました。AH-1Gは、その後の改良型も含めて大規模に生産されました。

運用状況

アメリカ陸軍ではベトナム戦争時にAH-1が多数導入され、主に火力支援に用いられました。戦争を経て発展型であるAH-1SやAH-1W、AH-1Zなどが生まれ、それぞれの任務に応じた改良が施されています。

一方で、他国もこの機体を採用しています。イスラエルはAH-1を戦闘機部隊に導入し、数多くの戦闘で成功を収めました。日本では、陸上自衛隊がAH-1Sを運用し、その後ライセンス生産も行っています。また、パキスタンやバーレーンなどの国でも導入されており、国際的には現在も多くの地域で活躍しています。

型式

AH-1の系列は多くの改良やバリエーションが存在します。代表的な型式には、初期型のAH-1Gをはじめ、改良型のAH-1S、AH-1Eアップガン型、AH-1F近代改修型などがあります。また、AH-1WやAH-1Zなども派生型として存在し、それぞれの特性に応じた運用が行われています。

このように、AH-1コブラは攻撃ヘリコプターの歴史において重要な役割を果たしており、今もなお多くの国でその活躍が期待されています。

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