AIM-95 (ミサイル)

AIM-95 アジャイル

AIM-95アジャイル（英: Agile）は、アメリカ合衆国によって設計された短距離空対空ミサイルです。このミサイルは、従来のAIM-9サイドワインダーに代わる新しい技術を取り入れたもので、優れた空中戦能力を兼ね備えています。

開発背景

AIM-95の開発は、主にチャイナ・レイク海軍兵器センターで行われました。このミサイルは、ファイア・アンド・フォーゲット機能を持ち、ミサイルを発射した後に発射母機からの誘導を必要とせず、独自に target を追尾する能力を備えています。赤外線シーカーには、Visual Target Acquisition System（VTAS）というヘルメット装着型照準装置が装備され、その高いオフ・ボアサイト能力により、前方に位置しないターゲットに対しても発射できる点が特筆されます。この設計により、ミサイルの発射位置を選定する際の柔軟性が大幅に向上しました。

また、AIM-95はその固体推進剤ロケットによって優れた旋回性能を実現しており、推力の偏向が可能です。これにより、特に戦闘機などの迅速な対応が求められる状況下において、その機動性は重要な要素となります。

AIMVALプログラム

AIM-95Aは、1975年から1978年までの間、さまざまな試験を受けました。この中にはチャイナ・レイクでの試射や、ネリス空軍基地でのF-14およびF-15によるACEVAL/AIMVAL統合試験評価が含まれます。しかし、AIMVALプログラムの結果、コストと複雑さから無駄に高性能なミサイルに依存することは難しいとの判断が下されました。このため、1975年にプロジェクトはキャンセルされました。

その後の展望

プロジェクトが中止される結果となりましたが、その後に登場したのがAIM-9の改良版です。これは、空軍と海軍による需要を満たすための急場しのぎ的解決策として位置付けられました。AIM-9はその後も長期間運用され続け、アジャイルの特徴を引き継いだ次世代ミサイルとして、AIM-9XやAIM-132 ASRAAMなどの開発が行われました。

さらに、お隣のソビエト連邦でも、高ボアサイト能力をもつ先進的なミサイルの開発が進められ、1985年にはMiG-29に関連するAA-11/R-73アーチャーが配備されました。

まとめ

AIM-95アジャイルは、短距離空対空ミサイルにおける技術革新を示す好例であり、今後のミサイル技術の進展に影響を与える重要な存在です。

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