ANA&JPエクスプレス

株式会社ANA & JP エクスプレスの概要

株式会社ANA & JP エクスプレス（ANA & JP Express Co., Ltd.）は、全日本空輸（ANA）の子会社として航空貨物の運航を行っていましたが、2010年7月1日にエアージャパンに吸収され消滅しました。ANAの戦略的なビジネス展開の一環として設立され、国際郵便分野への進出を目指した企業でした。

設立背景と経緯

ANAは以前、日本貨物航空と提携関係を持っていたものの、2005年の日本郵船による買収を経て、その関係が解消されました。そのためANAは2005年10月に新たな航空貨物会社の設立を決定し、2006年2月に「ANA & JPエクスプレス」として発足しました。この設立は、当時の日本郵政公社（現在の日本郵政株式会社）との業務提携によって実現したものです。

航空貨物事業の移管は2006年8月1日に行われ、日本国内だけでなくアジア及びシカゴへも貨物便を運航していました。設立当初はANAが51.7%を出資し、日本郵政グループ、通運、商船三井がそれぞれ出資して共同で運営していました。

経営の変遷

2009年、郵便事業グループはANAとの提携関係を解消し、所有株をANAに譲渡しました。この頃、ANAは沖縄県の那覇空港に新たなロジスティック基地を設置し、同空港を日本と東アジアの貨物運航の拠点として利用する体制を構築しました。ただし、この事業は2008年に設立された株式会社オールエクスプレスを通じて運営されていました。

2010年にはエアージャパンとの合併が決まり、同年7月に正式にANA & JPエクスプレスは消滅しました。合併後もエアージャパンを通じて運航は継続し、同様のサービスが提供され続けましたが、ANA & JPエクスプレスというブランドは消え去りました。また、同年9月30日には日本郵政グループの「JPエクスプレス」も特別清算を受けるなど、厳しい状況が続きました。

運航路線の変更

2009年10月には、那覇空港をハブにすることを契機に運航路線の見直しが行われました。成田、関西、仁川を基点としながら、ホノルルやバンコク、香港、台北などへも直航便を用意していました。ANA支援のもと、廈門へも便が設定されていましたが、基本的に運航はANAとして行われていたため、便名は「NH8XXX」形式でした。しかし、仁川線の一部便には「9N8XXX」が割り当てられており、特定のコールサインが使用されました。

使用機材

2010年8月の時点で、ANA & JPエクスプレスは以下の機材を運用していました：

• - ボーイング767-300F 4機（JA601F - JA604F）
• - ボーイング767-300BCF 6機（JA8286、JA8323、JA8356、JA8358、JA8362、JA8664）

一部機体には「ALLEX」といった過去のブランドロゴが施されていたものの、新たな戦略によりロゴの改修が行われる兆しが見えました。

合併後の影響

ANA & JPエクスプレスの合併によって法人としては消滅しましたが、運航そのものはエアージャパンに引き継がれたため、オペレーションの連続性は保たれました。しかし、JA601Fは合併後まもなく退役し、運航機材の一部は次第に変更されていきました。

ANA & JPエクスプレスの消滅後、運航の継続に関するストーリーはANAの航空貨物事業の発展の一環として今後も続けられるでしょう。

もう一度検索