ANGEL (氷室京介の曲)

ANGEL：氷室京介のソロデビューシングル

1988年、日本の音楽シーンに衝撃を与えた一曲「ANGEL」。元BOØWYのボーカリスト、氷室京介のソロデビューシングルとして、7インチレコードと8cmCDでリリースされました。その衝撃はオリコンチャートの1位獲得という形で如実に表れ、年間ランキングでも8位に輝くなど、その人気は不動のものとなりました。

オリコンチャート制覇とロングヒット

「ANGEL」はリリース後、オリコンチャートで4週連続1位を獲得するという快挙を達成しました。これは、ソロデビューシングルとしては異例のこと。氷室京介というアーティストの圧倒的な存在感と、楽曲の持つ魅力を証明する結果となりました。

初回盤には、ジャケット型のステッカーが付属していたことも特筆すべき点です。コレクターにとっては貴重なアイテムとなっています。

複雑なミュージックビデオ

「ANGEL」のミュージックビデオは、独特の世界観が印象的です。序盤に登場する不自然な雰囲気の女性は、物語が進むにつれて、かつての親友が亡くなった後に、その友人の化粧をきっかけに女装癖に目覚めた男性であることが明らかになります。この男性にとって、亡くなった親友こそが「天使（ANGEL）」なのです。このMVは、喪失感やアイデンティティといった重いテーマを繊細に描き、見る者に深い印象を与えます。

ライブパフォーマンスの変遷

ライブにおける「ANGEL」のパフォーマンスも興味深い点です。氷室京介は、1995年頃まではシングルバージョンよりもキーを半音下げて歌っていましたが、1998年以降は元のキーに戻して歌うようになりました。この変化は、氷室京介のボーカル表現の変化や、自身の成長を反映していると言えるでしょう。

カップリング曲「SHUFFLE」

カップリング曲「SHUFFLE」は、後にベストアルバム『SINGLES』に収録されました。この曲は、氷室京介の音楽性の一面を示す楽曲として、多くのファンに親しまれています。

多様な収録作品

「ANGEL」は、数多くのアルバムに収録されています。『FLOWERS for ALGERNON』ではアルバムバージョン、『masterpiece ＃12』ではリミックスバージョンが収録されるなど、様々なアレンジで聴くことができるのも魅力です。ベストアルバムはもちろんのこと、コンピレーションアルバムにも収録され、その人気を改めて示しています。また、ゲームソフト『龍が如く0』にも収録され、新たな世代のリスナーにもアプローチしています。

ライブ映像作品への収録

「ANGEL」は、氷室京介の多くのライブ映像作品にも収録されています。これにより、ライブでのパフォーマンスの迫力を改めて体感することができます。数々のライブツアーで演奏され続けていることは、この楽曲が氷室京介の代表曲として、彼の音楽人生において重要な位置を占めていることを示しています。

スタッフとミュージシャン

「ANGEL」は、多くの優れたミュージシャンとスタッフによって制作されました。村上“ポンタ”秀一、吉田建、西平彰、チャーリー・セクストンといった豪華なメンバーが参加し、その演奏技術の高さが楽曲のクオリティをさらに高めています。プロデューサーは吉田建と氷室京介が務めました。

エリック・マーティンによるカバー

海外アーティストによるカバーも存在します。エリック・マーティンが『Mr. Rock Vocalist』でカバーしており、異なる解釈による「ANGEL」を聴くことができます。

まとめ

「ANGEL」は、氷室京介のソロデビューシングルとして、彼のキャリアにおいて非常に重要な楽曲であり、日本の音楽史に刻まれた一曲と言えます。オリコンチャートでの成功、印象的なミュージックビデオ、ライブパフォーマンス、そして様々な収録作品を通して、その人気は衰えることなく、現在もなお多くのファンを魅了し続けています。その音楽性は時代を超え、これからも多くのリスナーに聴かれ続けるでしょう。

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