チャーリー・セクストン

チャーリー・セクストン：早熟の天才ギタリストの軌跡

チャーリー・セクストン（Charlie Sexton）は、1968年8月11日、アメリカ合衆国テキサス州出身のギタリスト、シンガーソングライターです。幼少期から音楽に親しみ、17歳という若さでソロデビューを果たしました。その後、ボブ・ディランのバックバンドに加入するなど、幅広い音楽活動を展開しています。

生い立ちと初期の活動

セクストンはテキサス州サンアントニオで生まれ、幼い頃に音楽の街オースティンに移り住みました。少年時代からブルーグラスやブルースに影響を受け、ギターを手にします。その才能は早くから開花し、16歳でドン・ヘンリーのアルバム『ビルディング・ザ・パーフェクト・ビースト』（1984年）にギタリストとして参加。また、映画『Wild Life』のサウンドトラックでは、なんとロン・ウッドとも共演を果たしています。

ソロ・デビューと日本での人気

1985年、セクストンはアルバム『ピクチャーズ・フォー・プレジャー』でソロ・デビュー。このアルバムは全米15位のヒットとなり、彼は一躍脚光を浴びます。高い音楽性と端正なルックスから、日本でもアイドル的な人気を獲得し、1986年には初の日本公演も行いました。当時、日本では「チャリ坊」という愛称で親しまれ、エドウインのCMや音楽番組『夜のヒットスタジオ』に出演するなど、幅広い活動を展開しました。

バンド活動とボブ・ディランとの共演

1988年、セクストンは実弟ウィル・セクストンが中心となって結成したバンド、ウィル&ザ・キルのアルバムに参加。また、氷室京介のアルバム『FLOWERS for ALGERNON』でもギターを演奏しています。自身のセカンド・アルバム『ドント・ルック・バック（原題: Charlie Sexton）』（1989年）にはブライアン・アダムスが参加し、同作を引っ提げて行った2度目の東京公演では、氷室京介がゲスト出演するなど、交流を深めました。

1992年には、元スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルのトミー・シャノン、クリス・レイトン、そして後にエリック・クラプトンのサポート・ギタリストとして活躍するドイル・ブラムホール2世と共に、アーク・エンジェルスを結成。同年、アルバム『アーク・エンジェルス』を発表し、日本公演も成功させました。アーク・エンジェルス解散後、チャーリー・セクストン・セクステット名義で『アンダー・ザ・ウィッシング・ツリー』（1995年）を発表しています。

1999年には、ドイル・ブラムホール2世による「ブラムホール」名義のアルバム『ジェリークリーム』に参加。同作でセクストンとブラムホール2世が共作した「I Wanna Be」は、エリック・クラプトンとB.B.キングが連名で発表したアルバム『ライディング・ウィズ・ザ・キング』でも取り上げられ、話題となりました。そして同年から2002年にかけて、セクストンはボブ・ディランのサポート・ギタリストとして活動。アルバム『ラヴ・アンド・セフト』（2001年）にも参加するなど、その才能を高く評価されました。その後はエディ・ブリケル、ルーファス・ウェインライト、チャーリー・マッスルホワイト等のアルバムに参加するなど、幅広いアーティストとの交流を深めています。

現在の活動

2005年、セクストンはバック・ポーチ・レコードから、10年ぶりとなる自己名義のアルバム『明日への轍』を発表。同作は、日本では2007年にソニー・ミュージックジャパンインターナショナルから発売されました。2018年には、友人のイーサン・ホークらとレコード会社を設立し、新たな活動の場を広げています。また、息子のマーロン・セクストンもミュージシャンとして活動しており、音楽一家として注目されています。

チャーリー・セクストンは、早熟の天才としてデビュー以来、様々な音楽的挑戦を続け、その才能を開花させてきました。ソロ活動に加え、バンド活動、そして大物アーティストとの共演を通じて、彼は常に進化を続けています。今後、彼がどのような音楽を届けてくれるのか、期待が高まります。

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