APG III

APG III 概要

APG IIIは被子植物を分類するための体系であり、2009年に公表されました。この体系は、従来のAPG II（2003年発表）から大幅な見直しが行われ、多くの科や属の所属が確定されました。以下では、APG IIIの主な変更点や特徴を詳しく説明します。

変更点

1. 所属不明の科や属の確定
APG IIでは所属が不明だった多くの科および属について、APG IIIではその所属が明確にされ、展示されるべき情報が整理されました。

2. 科の範囲の確定
APG IIでは一部の群について「広義または狭義のいずれを採用してもよい」とされていましたが、APG IIIによってそれぞれの科の範囲が確定されました。これにより、多くの科は「広義」に再定義され、一部では「狭義」となっています。

3. 新規設定された科や目
分類の進展に伴い、新たに設定された科や目も存在します。一方で、いくつかの科は目レベルでの所属が依然として不明であり、そのため目を設けていない場合もあります。

4. 科の再配置
一部の科は新しい位置に分類され、属の分割や併合が行われました。たとえば、ヒダテラ科は単子葉類でないことが判明し、所属が変更されました。

分類の詳細

APG IIIでは、各科のレベルまでの情報が記されており、その一部を例として以下に示します（マークは新たに設けられた科、†マークは新たに採用された目を示します）。

• - 被子植物

- †アムボレラ目 (Amborellales)
- アムボレラ科 (Amborellaceae)
- †スイレン目 (Nymphaeales)
- $$ハゴロモモ科 (Cabombaceae)
- ヒダテラ科 (Hydatellaceae)
- $$スイレン科 (Nymphaeaceae)
- アウストロバイレヤ目 (Austrobaileyales)
- アウストロバイレヤ科 (Austrobaileyaceae)
- $マツブサ科 (Schisandraceae)
- †センリョウ目 (Chloranthales)
- センリョウ科 (Chloranthaceae)

このように、各科の定義や分類が明確化されたことで、植物学においてより一層の理解と研究が促されることが期待されています。また、注釈として、科レベルにまで詳しい情報が記載されており、特定の科の位置付けについて議論が続いているものもあるため、今後の研究や発展において注目される分野です。

参考文献

APG IIIの詳細な情報は、「An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III」という文献に記載されています。こちらは、ボタニカルジャーナルで公開されている論文です。興味のある方は、そちらを参照することで、より深い知識を得ることができます。

この新しい分類体系の確立は、被子植物の進化や生態研究を進める上で、重要な貢献を果たすことでしょう。

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