AS 332 (航空機)

AS 332シュペルピューマ

AS 332は、フランスのアエロスパシアル社が製造した大型ヘリコプターであり、主に民間と軍事の両方で利用されています。この機体は、欧州や世界中で幅広い用途に対応できるよう設計されており、1978年に初飛行を果たしました。愛称は「シュペルピューマ」（Super Puma）であり、軍用バージョンはAS 532クーガーという名前で知られています。

概要

AS 332は、前モデルのSA 330ピューマをベースにしており、主要な改良点は機首に装備された気象レーダーです。ローターにはガラス繊維が使用され、軽量化と効率向上を実現しています。通常の乗員構成は操縦士2名と乗客18名ですが、派生形によっては最大24名まで搭乗可能です。搭載エンジンは当初チュルボメカ マキラ1Aが使用されていましたが、1986年からマキラ1A1、さらにはAS 332L2ではより強力なマキラ1A2に切り替えられました。

このヘリコプターは、多くの国の軍隊や1,000以上の民間航空会社に採用されています。その成功の一因として、北海油田向けの人員および物資輸送に適していることが挙げられます。特にCHCヘリコプター社は、AS 332L1とL2を合わせて48機を運用しており、民間用途での信頼性の高さが伺えます。さらに、日本の海上保安庁など、公共機関でも多数採用されており、救助活動や監視任務にも従事しています。

改良型と派生型

AS 332の改良型としてEC 225が2000年に初飛行し、2004年には型式証明を取得しました。この改良型では、マキラ2Aターボシャフトエンジンが導入され、振動の低減やFADECシステム、防氷装置の追加が行われました。コックピットはグラスコックピットとして設計され、最新の技術が取り入れられています。さらに、救難や対潜任務のための軍用派生型も開発され、これらの型式はAS 532へと改称されました。

現在の運用状況

現在も生産が続けられるAS 332は、様々なアップグレードを受けており、特にグラスコックピット化などがそれに含まれます。日本では、防災や要人輸送に特化した運用が行われており、陸上自衛隊では要人輸送機として3機が導入されましたが、後に老朽化に伴い退役を迎えました。また、海上保安庁では巡視船に搭載用のヘリが利用され、実際に多数の災害対応で活躍しています。

性能と主要諸元

AS 332L1の主な性能は以下の通りです。

• - 乗員：1名または2名
• - 乗客：最大24名（通常は19名）
• - 機外吊り下げ能力：4,500kg
• - 全長：18.70m
• - 主回転翼直径：15.6m
• - 自重：4.46t
• - 最大離陸重量：8,600kg

登場作品

このヘリコプターは著名な映画やドラマにも登場しており、例えば『Dr.DMAT』や『海猿』シリーズ、さらにはアニメ『ゴジラ S.P.』など、多岐にわたるメディアで目にすることができます。実際の運用のみならず、エンターテインメントシーンでもインパクトを持つ存在であることを示しています。

AS 332は、その高い汎用性と性能により、様々な環境や状況下で活動する重要な航空機となっています。

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