AS-28

AS-28 (1855型) 概要

AS-28(1855型)は、ロシア海軍に所属するプリズ級の深海救難艇です。この艇は最大で20人の乗員を収容し、実際の乗員数は4名です。全長は13.5メートル、全高は5.7メートル、排水量は通常時が55m³、潜水時は110m³です。潜航能力が高く、最大深度は1000メートルに達します。また、耐圧殻にはチタン製素材が使用されています。最高速度は約3.7ノット、すなわち約6.9キロメートル毎時です。AS-28の内部には、最大で120時間分の空気を供給するシステムが搭載されています。この艇は、ロシア海軍の他の軍艦、特にBesterと似た外見を持っています。

AS-28を含む1855型は、計4隻が05360型または05361型の救難艦に二隻ずつ搭載され、運用されています。この類の艇は、1837型や1832型とは異なり、中央に大きなセイルがあり、独特の外観を持つのが特徴です。

AS-28の浮上不能事故

25005年8月4日、AS-28はロシア海軍太平洋艦隊の一部として、カムチャッカのBeresowaja湾から南東70kmの地点で潜行中に、古い漁網に絡まり、180メートルの深度で動けなくなるという事故が発生しました。驚くべきことに、ロシア海軍はこの事故の際に他国に対して救援を要請しました。これに対し、イギリスやアメリカは無人探査機を空輸し、日本は救難艦の「ちよだ」など4隻の艦船を現場へ派遣しました。

事故から数日後の8月7日早朝、イギリス海軍の無人探査機「スコーピオ」が最初に現場に到着し、絡まった鋼線を切断することで障害物を取り除きました。結果として、AS-28は自力で浮上することに成功し、乗員全員が無事に救出されました。

この事故はAS-28にとって大きな経験となり、2004年には彼女を含む4機の近代化計画が決定されました。最初の改修には約2億4000万ロシア・ルーブルが投入され、次の機体の改修には約2億ルーブルが必要とされました。事故後の2005年から2008年にかけて、AS-28ではテレビカメラやマニピュレーター、金属製ロープを切断可能な装置、水中溶接機などの装備が追加され、さらなる近代化が図られました。

関連項目

• - [LR5潜水艦救助システム]

このように、AS-28は単なる深海救難艇にとどまらず、多様な改修が施されることで、今後も様々な救助ミッションに対応していくことでしょう。

もう一度検索