ASMインターナショナル

ASMインターナショナル：半導体製造装置のリーディングカンパニー

ASMインターナショナル（ASM International N.V.）は、半導体製造装置の開発・製造において世界をリードする多国籍企業です。オランダのアルメレに本社を置き、グローバルに14カ国以上に事業拠点を展開しています。その事業は、半導体製造工程におけるウェハー処理装置に特化しており、高度な技術力と革新的な製品群で、世界中の半導体メーカーから高い評価を得ています。

設立から現在まで：半導体の歴史を共に歩む

ASMインターナショナルの歴史は1968年にまで遡ります。起業家Arthur del Prado氏によって設立された同社は、当初からウェハー処理装置の販売に注力しました。その後、1975年には香港にASM Pacific Technologies（ASMPT）を設立し、ウェハー処理からチップパッケージングまで、半導体製造工程の全段階を網羅する体制を構築しました。

同社の成長には、戦略的な提携関係も重要な役割を果たしています。設立当初からフィリップスの研究部門との連携を深め、1984年には合弁会社としてASM Lithographyを設立しました。この会社はその後、ASMLとして独立し、現在では半導体露光装置の世界的リーダーとして知られています。

技術力の向上にも積極的に取り組んでおり、1999年にはフィンランドのMicrochemistry社を買収することで、原子層堆積技術（ALD）といった最先端技術を自社に取り込みました。これにより、ASMインターナショナルはウェハー処理における技術力をさらに強化しました。

株式市場においても、同社は大きな成功を収めています。NASDAQでの上場を経て、現在はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。また、ASMPTは香港証券取引所に上場しており、ASMインターナショナルはASMPTの株式の25％を保有しています。

世界規模の研究開発体制と事業展開

ASMインターナショナルの研究開発拠点は、オランダ、ベルギー、フィンランド、アメリカ、韓国、日本など、世界中に広がっています。このグローバルな研究開発体制が、同社の技術革新を支える重要な柱となっています。

地域別の売上高を見ると、アジア地域が6割前後を占め、アメリカ合衆国が4分の1前後、ヨーロッパ地域が1割前後となっています。このことから、同社の製品が世界中の半導体製造において重要な役割を果たしていることが分かります。

日本におけるASMインターナショナル

日本市場においても、ASMインターナショナルは重要な存在感を示しています。1982年に設立された日本法人である日本エー・エス・エム株式会社は、多摩市に本社を、長岡市に工場を、川崎市麻生区にテクノロジーセンターを構え、日本の半導体産業の発展に貢献しています。また、ASMPTの日本法人であるASMPT Japan株式会社も立川市にオフィスを構え、半導体製造装置の販売・保守サービスを提供しています。

まとめ

ASMインターナショナルは、半導体製造装置分野における技術革新を牽引する企業です。長年にわたる経験と世界規模の研究開発体制、そしてグローバルな事業展開によって、同社は半導体業界において重要な役割を果たし続けています。今後も、半導体技術の進歩に貢献し、業界をリードしていくことが期待されます。

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