ASO (ゲーム)

ASO (Armored Scrum Object)

1985年に新日本企画（SNK）によってアーケードゲームとしてリリースされた縦スクロールシューティングです。海外では『Alpha Mission』の名称で親しまれました。プレイヤーは自機の戦闘艇「シド」を操作し、自己進化能力を持つ生化学兵器「メカノクレート」を殲滅して人類を救出することがゲームの目的となります。対地・対空攻撃を切り替えるゲームシステムは、1983年の名作シューティングに類するスタイルを採用しています。

ゲームシステムと特徴

操作は8方向レバーと3つのボタンで行われます。ボタンはそれぞれ対空攻撃（レーザー）、対地攻撃（ミサイル）、そして本作最大の特色であるアーマーの装着・解除に割り当てられています。対地攻撃は、特定の地点を狙う爆撃型ではなく、対空攻撃と同様に直線的に進む性質を持ちますが、弾速は遅く射程も短いという違いがあります。

本作は、多種多様な「ポイント」と呼ばれるアイテム、全部で8種類に及ぶアーマー、そして敵から放たれる追尾弾などがゲームを特徴づけています。背景グラフィックの一部には、SNKの過去作品から引き継がれた要素も見られます。

アーマーシステム

ゲームタイトルの「ASO」は「Armored Scrum Object」の略であり、これはプレイヤーが操る機体「シド」（SYD）を指しています。

アーマーは、ゲーム中に登場する3種類のパーツ（ヘッド、左ウィング、右ウィング）を同じ種類で揃えることで完成します。完成したアーマーは、使用中のものを除いて各1つずつストック可能です。全8種類全てのアーマーを揃えると高得点ボーナスが得られます。

アーマーを使用するには、特定のエネルギーポイントが必要で、装着ボタンを押すと機体が自動的に中央へ移動し、装着アニメーションとともに発動します。この装着中は一時的に無敵となるため、緊急回避にも利用できます。アーマーの種類によって、対空または対地攻撃が強化されたり、特殊な攻撃が可能になったりします。

アーマーは使用や時間経過、被弾によってエネルギーを消費し、エネルギーがゼロになると強制的に解除されます。解除されたアーマーは再びパーツを揃えなければ使用できません。エネルギー残量が少なくなると警告音で知らせてくれます。

アーマーには青（オクト、シールド、キャノン）、黄（ホーミング、パラライザー、ニュークリア）、赤（ファイヤー、サンダー）の系統があり、それぞれ異なる特性を持ちます。

シールドアーマー: バリアを展開し、敵弾を完全に防ぐ防御に特化したアーマー。エネルギーが続く限り非常に有効です。
キャノンアーマー: 正面に強力かつ広範囲のレーザーを3連射する攻撃力の高いアーマー。ボス戦などで威力を発揮します。
サンダーアーマー: 画面全体に雷を放ち、全ての敵と敵弾を破壊する強力なアーマー。エネルギー消費は激しいものの、窮地を脱する際に役立ちます。

ポイントアイテム

ゲーム中に登場するアイテムは「ポイント」と呼ばれ、その種類は非常に豊富です。これらはアルファベットで表示され、重要度に応じて青、黄色、赤に色分けされています。中にはプレイヤーにとって不利になる「裏ポイント」も存在します。

S（SPEED）: 3つで自機スピードアップ。キープアイテム取得でミスしても効果維持。
L（LASER）: 3つで対空攻撃がパワーアップ（シングル→ダブル→トリプル）。キープアイテムで効果維持。
M（MISSILE）: 3つで対地攻撃がパワーアップし射程も延長。キープアイテムで効果維持し、2連射可能に。
E（ENERGY）: エネルギーをチャージ（青1, 黄4, 赤8ポイント）。
V（VOLTAGE）: エネルギーゲージの最大値を増加させる。
裏ポイント: 茶色で表示され、パワーダウンやエネルギー減少など不利な効果をもたらします。特に「C（CANCEL）」ポイントは全てのキープ効果を失わせる最悪のアイテムです。

登場する敵

敵キャラクターは、自己思考・自己修復能力を持つ「メカノクレート」と呼ばれる生化学兵器です。空中を飛行するものと地上に配置されるものに大別されます。

空中物: 特定コースを飛行するだけのものから、自機を追尾したり、複雑な動きで弾をばら撒くものまで様々です。ヴァリスのように編隊を組む敵もいます。
地上物: 地上砲台や戦車など。点滅してから攻撃する特徴があります。中には誘導弾を放つものや、地中に潜って攻撃を回避するモロフのような特殊な敵も存在します。
中ボス: 各エリアの中盤に出現。最初はシンプルな攻撃ですが、ゲームが進むと誘導弾などを使う強力な敵へと変化します。
* ボス: エリアの最後に出現する強敵。それぞれ独自の攻撃パターンや弱点を持っています。ヘカテリアン、ハノマス・ズイ、シャリプトラ、ボンボネラ、ギガ・ビット、ジョジョ・ゼゼの6種類が基本ですが、後半エリアでは同種の強化型が登場します。

移植と評価

1986年にはファミリーコンピュータに移植されました。ファミコン版では、アーマーが完成品として出現したり、アーマー装着がポーズ画面で行われるなど、アーケード版とは異なる仕様があり、難易度は比較的低くなっています。

アーケード版は、その後の様々なコンピレーションソフトや、アーケードアーカイブスシリーズとして現代のゲーム機にも移植されています。特にアーケード版は、ゲーム性、グラフィック、サウンド、キャラクターデザインなどが高く評価されており、特にアーマーシステムは戦略性と視覚的な迫力が称賛されました。

シリーズ展開

本作はシリーズの初代にあたり、1991年には続編となる『ASOII』が稼働しました。また、関連作品として、自機のオプションとして「SYD」が登場するシューティングゲーム『バミューダトライアングル』や、その別バージョンである『WORLD WARS』が存在します。

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