ASh-78

ASh-78 アサルトライフル

ASh-78（アルバニア語: Automatik Shqiptar modeli 78）は、アルバニア社会主義人民共和国で製造されたAK-47系アサルトライフルです。中国の56式自動歩槍を原型として開発された点が特徴で、当時のアルバニアの外交方針を反映しています。

概要

ASh-78は、東ヨーロッパ製の他のAK-47系アサルトライフルとは異なり、中華人民共和国製の56式自動歩槍を原型として開発されました。AK-47の派生型の中では比較的遅い時期に開発され、当時のアルバニアの政治状況が色濃く反映されています。アルバニア軍の主力小銃として、輸入された56式自動歩槍と共に運用されてきましたが、近年ではARX-160やM4カービン、VHSなどのより近代的なアサルトライフルによって更新が進められています。

開発の経緯

第二次世界大戦後、アルバニアはアルバニア労働党による一党独裁制の社会主義国家となり、エンヴェル・ホッジャ第一書記の独裁政治の下、ソ連との関係を重視していました。しかし、ニキータ・フルシチョフによるスターリン批判を機にソ連との関係が悪化。1968年にはワルシャワ条約機構から脱退し、ソ連を仮想敵国とする軍事方針へと転換しました。

ソ連からの軍事支援が途絶えたアルバニアは、中国に接近し、中国製兵器による軍の近代化を図ります。中国の支援により56式半自動歩槍（中国製SKSカービン）を国産化したJuly 10ライフルの開発に成功。1974年には、輸入に頼っていた56式自動歩槍の国内生産を計画しますが、中国共産党が改革開放政策に転換したことで中ア関係が悪化し、技術援助が打ち切られます。その結果、アルバニアは自力での開発を余儀なくされ、完成までに4年の歳月を要しました。

56式自動歩槍との差異

ASh-78は、ハンドガード下に折畳式スパイクバヨネットを備えるなど、基本的に56式自動歩槍を踏襲していますが、外観上の違いも見られます。

フロントサイト：56式と同様のカバー付きですが、基部の形状が異なります。
レシーバー：マガジンハウジング上部のレシーバーに凹みがありません。
セレクター：56式では「連/単」または「L/D」と刻印されているのに対し、ASh-78では「A/1」と刻印されています。

派生型

ASh-78 tip1（ASh-78-1）：固定銃床を備えた基本モデルです。
ASh-78 tip2（ASh-78-2）：分隊支援火器モデルで、RPK軽機関銃に相当します。RPKとは異なり、小銃タイプと同じ形状の銃床を装備しています。
ASh-78 tip3（ASh-78-3）：銃身延長モデルで、AKMと同様の直銃床に変更されています。
ASh-82：AKS-47と同様の下部折畳式銃床を備えたモデルです。
RDW-1：銃身を切り詰め、フォアグリップを追加し、ストックを廃したカービンモデルです。
RDW-2：RDW-1の銃身をさらに切り詰めたモデルです。

関連項目

小銃
アサルトライフル
小銃・自動小銃等一覧

外部リンク

* ASH 78|GUN Wiki|FANDOM powered by Wikia

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