AU Optronics

AUO Corporation：台湾を代表する液晶パネルメーカーの挑戦

AUO Corporation（友達光電股份有限公司、略称AUO）は、台湾新竹市に本社を置く液晶パネル製造会社です。BenQグループの中核企業として、世界的な液晶パネルメーカーとしてその名を馳せています。

輝かしい歴史と液晶パネル市場における地位

AUOは、かつて奇美電子、廣輝電子、中華映管、瀚宇彩晶とともに「面板五虎」と呼ばれ、1990年代後半、日本勢が寡占していた液晶パネル市場において、韓国勢に次ぐ存在感を示しました。2001年には、日本のシャープ、日立、NECといった強豪メーカーを抜き、世界3位の座を獲得。2008年までその地位を維持しました。その後、台湾の群創光電にシェアを奪われましたが、現在もBOE、LGエレクトロニクス、群創光電、サムスン電子に続く世界5位のシェアを保持する大手メーカーとして君臨しています。

事業内容と強み

AUOは、主にテレビやモニター、車載用ディスプレイ向けの液晶パネルを製造しています。4K・UHDといった高精細ディスプレイに強みを持ち、高い技術力を誇ります。また、ソーラーパネル事業も展開しており、25カ国以上、96以上の販売業者・卸業者と広範な流通ネットワークを構築しています。

次世代ディスプレイ技術への取り組み

近年、有機EL（OLED）パネルが注目を集めていますが、AUOは大型投資には慎重な姿勢をとり、スマートウォッチやVR機器向けなど、小規模な生産にとどまっていました。しかし、液晶パネル市場の価格競争激化による業績悪化を受け、次世代ディスプレイ技術への投資を加速。蒸着方式をスキップし、次世代OLED製造方式であるインクジェット印刷方式の製造装置を導入しました。さらに、OLEDの有力な代替技術として期待されるミニLEDの研究開発にも力を入れています。

歴史と発展

AUOの前身は、エイサー社傘下の達碁科技（Acer Display Technology）です。1996年8月に設立され、2000年9月に台湾証券取引所に上場しました。2001年には聯友光電（Unipac Optoelectronics）と合併し、現在の社名である友達光電となりました。その後も、廣輝電子の買収などを通じて事業規模を拡大してきました。

主要生産拠点

AUOは台湾各地に複数の生産拠点を擁しています。桃園華亜科学園区、龍潭渇望園区、龍潭科技園区、新竹科学工業園区、中部科学工業園区などに、第3.5世代から第8.5世代までの様々な世代の生産ラインを展開しています。

今後の展望

AUOは、液晶パネル市場における高いシェアと技術力を背景に、今後も事業拡大を目指していくものと考えられます。次世代ディスプレイ技術への積極的な投資は、今後の成長を左右する重要な要素となるでしょう。液晶パネル市場の変動や競争激化が続く中、AUOの今後の戦略と技術革新に注目が集まります。

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