Academia.edu

Academia.eduとは

Academia.eduは、研究者向けの商用ソーシャルネットワーキングウェブサイトです。研究論文の共有、影響度の測定、特定分野の研究動向の把握などを目的として利用されています。2008年9月にサービスを開始し、2019年1月時点では月間3900万人のユニーク訪問者と2100万件以上の論文がアップロードされています。リチャード・プライス氏によって設立され、複数の投資家から資金調達を受けています。

利用方法

ユーザーは、自身のプロファイルを作成し、研究成果をアップロードします。関心のある分野を選択することで、世界中の研究者ネットワークを閲覧し、情報交換が可能です。2017年12月時点で、5,800万人のユーザーが登録しています。

競合サービス

競合サービスとしては、ResearchGate、Google Scholar、Mendeleyなどが挙げられます。2016年のデータでは、Academia.eduの方が登録ユーザー数とウェブトラフィックでは上回っていましたが、研究者の積極的な利用率ではResearchGateの方が高いという報告もあります。ResearchGateは登録ユーザーを特定の機関や研究者に制限しているのに対し、Academia.eduではアカウントが失効していたり、利用されていないケースも多いため、アクティブユーザーの差が生じていると考えられます。

オープンサイエンスへの取り組み

Academia.eduは、オープンサイエンスとオープンアクセスの推進を支持しています。特に、研究成果の即時公開と、論文公開と同時に行われる査読システムの採用を提唱しています。しかし、オープンアクセスリポジトリではないため、専門家からはグリーンオープンアクセスを推進する手段としては推奨されていません。代わりに、分野ごとのリポジトリやZenodoのような汎用リポジトリの利用が推奨されています。

ドメイン名に関する問題

Academia.eduは、高等教育機関ではないため、「.edu」ドメインを使用する資格はありません。しかし、1999年に「Academia.edu」ドメインを登録したため、規制の対象外となっています。このため、ユーザーが営利企業ではなく、教育機関の一部だと誤解する可能性があるとの批判もあります。

資金調達

Academia.eduは、2011年11月にSpark CapitalおよびTrue Venturesから450万ドルを調達しました。それ以前にも、Spark Venturesやエンジェル投資家から資金を調達しており、2013年9月には1110万ドルを調達し、総額1770万ドルに達しています。

受容

多くの研究者は、ウェブサイトを通じて研究成果の公開機会が増えることに満足しています。一方で、ビジネスモデルの不透明さから、研究と科学への影響を懸念する声も上がっています。TechCrunchは、Academia.eduを「研究を配布するための強力かつ効率的な方法」と評価し、研究者の専門的な分析ツールや検索結果での有効性を指摘しています。Academia.eduは、ソーシャルネットワーキングと学術的な規範を組み合わせたものと言えるでしょう。

批判

Academia.eduは、ユーザーに論文の推薦を依頼する有料サービスを提供しており、これに対して批判が出ています。また、ベンダーロックインモデルを採用しているため、ユーザーはプラットフォームに依存せざるを得ない状況にあります。非ユーザーは論文を閲覧できますが、ダウンロードにはアカウント登録が必要です。さらに、高度な検索機能を利用するにはプレミアムプラン（年間100ドルまたは月額10ドル）への加入が必要です。2016年12月には、仕事に関するデータ分析や専門的ランクを含む新しいプレミアム機能が発表されましたが、これも批判の対象となっています。

まとめ

Academia.eduは研究者にとって有益なツールである一方、オープンアクセスやプライバシーに関する懸念も存在します。サービスを利用する際には、これらの点を考慮する必要があるでしょう。

参照資料

* .edu'>公式サイト

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