ActivePerl

ActivePerlは、ActiveState社が提供するPerlのディストリビューションであり、特にWindows環境での利用に強みを持っています。しかし、macOS、Linux、Solaris、HP-UX、AIXといった多様なOSに対応したバージョンも提供されており、幅広い環境で利用が可能です。

ActivePerlには、PPM（Perl Package Manager）という独自のパッケージマネージャが付属しています。このPPMを利用することで、PPMリポジトリと呼ばれるサーバからPerlモジュールを容易にダウンロード、インストール、アンインストールすることができます。各モジュールは、プラットフォームごとの設定やXSコードのコンパイルが済んだ状態で提供されるため、CPAN（Comprehensive Perl Archive Network）から直接インストールする場合に比べて、格段にインストール作業が簡単になります。ただし、この利便性の反面、必ずしも最新版のモジュールが利用できるとは限らないという点には注意が必要です。

CPANからモジュールをインストールすることも可能ですが、Unix系のアーカイバやコンパイラといったツールが必要になります。以前はこれらのツールをユーザー自身で用意する必要がありましたが、ActivePerlのバージョン5.10.1以降では、初めてcpanコマンドを実行する際に自動的にこれらのツールが導入されるようになったため、以前に比べると導入のハードルは下がっています。

Windows版のActivePerlには、プラットフォーム固有の便利なプラグインが同梱されています。例えば、WSH（Windows Script Host）でPerlを利用可能にするPerlScriptや、IIS（Internet Information Services）にPerlを組み込むPerl for ISAPIなどが挙げられます。これらのプラグインにより、Windows環境でのPerlの活用範囲が広がります。

ActivePerlは、Perlをより手軽に、そして多様な環境で利用するための包括的なソリューションを提供しています。特に、Windows環境での利用を考えているユーザーにとっては、インストールとモジュール管理の容易さから、非常に有用な選択肢と言えるでしょう。

関連事項

Perl
ActiveState
PerlScript

外部リンク

ActiveState
* How to install ActivePerl

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