Adobe Flash Lite

Adobe Flash Lite（アドビ フラッシュ ライト）とは

Adobe Flash Liteは、アドビ（旧マクロメディア）が携帯電話などの携帯機器向けに開発したAdobe Flash Playerです。デジタルフォトフレームなどにも利用されていました。PC向けのFlash Playerと比較して、メモリやセキュリティ上の制約から機能が制限されていたものの、携帯電話特有の機能が実装されていました。

特徴

携帯機器向け最適化: 容量制限や省電力など、携帯機器の制約に合わせて最適化されていました。
独自のActionScript: 電池残量や電波状況などを取得し、画面を変化させるなど、携帯電話ならではのActionScriptが実装されていました。
クロスプラットフォーム: 端末のブランドや機種を問わず、同一のファイルでコンテンツを配信できました。

バージョン

Flash Liteには、複数のバージョンが存在し、それぞれ対応するFlashのバージョンや機能、容量制限が異なっていました。

Flash Lite 1.0: Flash 4ベースで、容量制限は20KB。NTTドコモのD505iから採用されました。
Flash Lite 1.1: Flash 4ベースで、容量制限は100KB。NTTドコモのSH901iCから採用され、Flash Lite 3.xと並行して利用されました。
Flash Lite 2.0: Flash 7ベースで、容量制限はauで100KB、SoftBankで150KB。NTTドコモでは採用されませんでした。
Flash Lite 2.1: Flash 7ベースで、Windows Mobile 5.0向けに正式リリースされ、スマートフォンでも利用可能になりました。
Flash Lite 3.0: Flash 8ベースで、Flash Videoに対応。ただし、機種によってはYouTubeなどの動画再生ができませんでした。
Flash Lite 3.1: Flash 8ベース。NTTドコモの2008年11月発売の端末から対応。
Flash Lite 4.0: Flash 10ベースですが、一部のクラスやメソッドはサポートされていません。主にAndroid 2.1で採用され、日本のフィーチャーフォンでは採用されませんでした。

Flash Lite以前のFlash Player

Flash Liteが普及する以前にも、一部の端末にはFlash Playerが搭載されていました。これらの端末はFlash Player 6相当の機能を持っており、Flash Lite 1.0/1.1が主流の時期には、より多くのムービーを視聴できました。その後、Flash 7ベースのFlash Lite 2.0が登場したことで、この差は解消されました。

開発環境

携帯電話用のFlashコンテンツは、Flash 4からFlash 8 Basicまでの環境でFlash 4形式のswfとして書き出すことで作成可能でした。ただし、Flash Lite独自ActionScriptを利用する場合は、Flash MX2004以降のProfessional版が必要でした。

普及率

AuriQ Systems, Inc./maqs の調査によると、2012年3月時点で、日本のフィーチャーフォンにおけるFlash Liteの普及率は非常に高かったことがわかります。

その他の情報

Flash Liteは、携帯電話でのコンテンツ配信において重要な役割を果たしました。しかし、スマートフォンの普及とともに、フル機能のFlash Playerが携帯端末向けに提供されるようになり、Flash Liteの役割は終えることとなりました。

Flash Liteは、様々な制約の中で、携帯機器に特化したFlashコンテンツを提供するための重要な技術でした。

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