SH901iC

FOMA SH901iC：革新的なデザインと多機能性を備えたドコモ端末

FOMA SH901iCは、シャープが開発したNTTドコモの第三世代携帯電話（FOMA）端末で、901iシリーズの先駆けとして登場しました。その特徴は、革新的なデザインと当時の最先端技術を搭載した多機能性にあります。

デザインと操作性

SH901iCは、回転2軸ヒンジ機構を採用しており、液晶画面を表にしたまま折りたたむ「ビューアポジション」での操作が可能です。これにより、画面を見ながら快適に操作できる「フロントコマンダー」が実現しました。この回転2軸ヒンジは、後のSH901iSやSH902iにも引き継がれています。

端末のボタンとフロントコマンダーは、黄緑色に光るデザインが採用されています。また、PCデータを閲覧できる「ピクセルブラウザー」を搭載しており、Word、Excel、PDFなどのファイルを携帯電話上で確認できます。

カメラ機能

アウトカメラには、約202万画素のCCDセンサーとオートフォーカス機能が搭載されており、高画質の写真撮影が可能です。また、テレビ電話用のインカメラには、約11万画素のCMOSセンサーが搭載されています。

AV連携機能

SH901iCは、AV機器との連携にも対応しており、別売りのAV出力ケーブルを使用することで、外部入力した映像をminiSDカードに保存できるビデオエンコーダーを搭載しています。また、テレビ電話画面や端末に保存した画像・動画をテレビに出力することも可能です。

ディスプレイには、広視野角な2.2インチの「モバイルASV液晶」が採用されており、鮮明な映像を楽しむことができます。

iアプリとiモード機能の強化

プリインストールされたiアプリには、「Gガイド番組表リモコン」、「ケータイポストペット SH」、「3D MUSICAFE SH」、「電子マネー Edy」などがあります。

901iシリーズ共通の特徴として、着うたや着モーションの最大再生容量が300KBから500KBに拡大、iモードメールの添付ファイル容量も100KBから500KBに拡張されました。また、ツインスピーカーの搭載やiアプリの3Dグラフィックス機能強化、Flashからの端末情報取得、外部コンテンツに対するセキュリティスキャン機能など、iモード関連機能が大幅に強化されています。さらに、デジタルオーディオプレーヤー機能が正式に対応し、連続再生が可能になりました。

iモードFeliCaとその他の機能

型番に「iC」が付くことからわかるように、iモードFeliCaにも対応していますが、モバイルSuicaには非対応です。予定されていた800MHz帯とのデュアルバンド機能は見送られ、後の901iSから搭載されました。

歴史

• - 2004年10月19日：技術基準適合証明（TELEC）を通過。
• - 2004年10月22日：電気通信端末機器審査協会（JATE）を通過。
• - 2004年11月17日：F901iC、N901iC、D901i、P901iと同時にドコモからプレスリリース。
• - 2004年12月1日：全国で発売開始。当初は11月26日発売予定でしたが、システム対応の遅れにより発売日が延期されました。

不具合と対応

SH901iCには、いくつかの不具合が確認されています。

• - 2005年3月14日：メール機能に関する不具合が発表され、ソフトウェア更新により改善。
• - 2006年1月25日：基地局切り替え機能に関する不具合が発表され、ソフトウェア更新により改善。
• - 2006年7月24日：文章入力中に特定の文字列を入力するとフリーズや再起動が起こる不具合が発生。ケータイShoinに起因しており、ソフトウェアアップデートで改善されました。

まとめ

FOMA SH901iCは、その革新的なデザインと多機能性から、当時の携帯電話市場で注目を集めました。回転2軸ヒンジやフロントコマンダーによる操作性の向上、高画質カメラやAV連携機能、そしてiモード機能の強化は、ユーザーに新しいモバイル体験を提供しました。また、いくつかの不具合を乗り越えながら、ソフトウェア更新を通じて改善を図る姿勢は、ユーザーからの信頼を得る上で重要でした。

外部リンク

• - SH901iC（シャープ） - ウェイバックマシン（2004年11月19日アーカイブ分）
• - ケータイ新製品SHOW CASE NTTドコモ SH901iC

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