Amazon Elastic Block Store

Amazon Elastic Block Store (EBS) は、Amazon Web Services (AWS) が提供する、Amazon EC2インスタンス向けのブロックレベルストレージサービスです。2008年8月にサービスを開始し、最大16TBのボリュームを提供しています。EBSは、従来のブロックデバイスと同様に、ファイルシステムでフォーマットし、マウントして利用できます。

主な機能

ボリュームタイプ: EBSでは、用途に応じて複数のボリュームタイプを選択できます。
プロビジョンド IOPS SSD (io1): 最も高いIOPSとスループットを提供し、高パフォーマンスが必要なワークロードに適していますが、価格も最も高くなります。
汎用 SSD (gp2): 標準的なSSDストレージで、幅広い用途に対応します。
スループット最適化 HDD (st1): IOPSは低いものの、gp2よりも高いスループットを提供し、大量のデータを扱うワークロードに適しています。
Cold HDD (sc1): 最も安価なHDDボリュームで、アクセス頻度の低いデータに適しています。
スナップショット: EBSボリュームのスナップショットを作成し、バックアップや復元に利用できます。スナップショットはAmazon Simple Storage Service (S3) に保存され、複数回のスナップショットは増分バックアップとして保存されます。また、Amazon Data Lifecycle Managerを使用することで、自動バックアップをスケジュールすることも可能です。
耐障害性: EBSは、複数のバックエンドストレージに複製されているため、単一コンポーネントの障害によるデータ損失のリスクは低いですが、複数のアベイラビリティーゾーンに分散しているわけではありません。年間の故障率は0.1%～0.2%程度とされています。
データ消失: 年間故障率に基づくと、1000個のEBSボリュームあたり年間1～2個のボリュームでデータが消失する可能性があります。1TBのデータあたり年間1～2GBのデータが消失する計算になります。
対比: Network File Systemで接続するAmazon Elastic File System (EFS) は、複数のアベイラビリティーゾーンに分散しており、より高い可用性と耐障害性を備えています。また、Amazon S3のデータ消失率は1TBあたり年間10バイトと、EBSよりもはるかに低いです。Amazon AuroraやAmazon DocumentDBは、3つのアベイラビリティーゾーンに6重にデータを重複記録するため、ハードウェア障害によるデータ消失リスクも低いです。
可用性: EBSは99.999%の可用性を提供しており、年間平均で約5分のダウンタイムが発生する可能性があります。

まとめ

EBSは、EC2インスタンスに柔軟なブロックレベルストレージを提供する重要なサービスです。用途に応じて最適なボリュームタイプを選択し、スナップショットによるバックアップと復元機能を利用することで、安全かつ効率的なデータ管理を実現できます。ただし、EBSの耐障害性は他のストレージサービスと比較して相対的に低い点、また、アベイラビリティーゾーンを跨いだ冗長化構成ではない点には注意が必要です。より高い可用性と耐障害性を求める場合は、EFSやS3などのサービスを検討することも重要です。

参考文献

* Amazon EBS（EC2 ブロックストレージボリューム）| AWS

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