Amazon Robotics

Amazon Robotics（アマゾンロボティクス）は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州に本社を置くAmazonの子会社です。主にAmazonの物流センターや倉庫で使用される自動化システムとロボットの開発・製造を手がけています。

もともとはKiva Systems（キバシステムズ）という社名でしたが、2012年3月にAmazonに買収され、2015年8月に現在のAmazon Roboticsへと社名変更されました。この買収は、Amazonの物流戦略において重要な転換点となりました。

概要

Amazon Roboticsのシステム導入以前は、倉庫内で作業員が商品を一つ一つ集めて回る必要がありました。しかし、Amazon Roboticsが開発したシステムでは、高さ約2.5mの「ポッド」と呼ばれる棚が、自動で移動します。このポッドを運ぶのが「ドライブ」と呼ばれるロボットです。作業員は棚の移動を待機するだけでよいため、倉庫内を移動する手間が大幅に削減され、労働負荷の軽減につながっています。

日本では、川崎FCの倉庫に初めて導入されました。ドライブは最大340kgのポッドを持ち上げ、秒速1.7mで倉庫内を移動できます。ドライブが動き回るエリアは黒いフェンスで囲まれており、安全が確保されています。フェンスの横には、商品を出し入れするための作業エリアが設置されています。不定形の商品を判別して取り出す作業は、現時点ではまだ人間の作業が効率的であるため、機械と人間がそれぞれの得意な分野で協働する形をとっています。今後、費用対効果が高く、生産性の向上が見込まれる場合は、システムの導入が順次拡大される予定です。

Amazonによる買収

2012年3月、AmazonはKiva Systemsを7億7500万米ドルで買収しました。当時、これはAmazonにとって過去2番目に大きな買収でした。この買収により、Amazonは自社の物流インフラを大幅に強化することができました。

2015年8月、Kiva Systemsは正式に社名をAmazon Roboticsに変更しました。これは、Amazonのロボティクス事業の中核を担う存在としての位置づけを明確にするものでした。

2022年7月、Amazonは初の自律移動ロボット（AMR）であるProteus（プロテウス）を発表しました。これは、倉庫内での作業効率をさらに向上させるためのもので、人と協働しながら安全に作業を行うことができます。

2023年10月、Amazonは、在庫をコンテナ化したロボットシステムSequoia（セコイア）と、二足歩行ロボットDigit（ディジット）のテストを自社倉庫で開始すると発表しました。Sequoiaは、より高速で正確な商品管理を実現し、Digitは、倉庫内の様々な作業を人間に代わって行うことが期待されています。

Amazon Roboticsは、物流業界における自動化とロボット技術の最前線を走っており、今後もその技術革新が期待されています。

脚注

関連項目
アマゾンスカウト
先進的物流施設
無人搬送車
自動倉庫
物流
外部リンク
川崎FCの倉庫内の様子 - YouTube (※実際の動画IDに置き換えてください)

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