Amemura O-town Record

Amemura O-town Record：大阪発メジャーレーベルの軌跡

Amemura O-town Record（略称：AOR）は、大阪市中央区西心斎橋（アメリカ村）に存在した、関西地区で最初に設立されたメジャーレコードレーベルです。ビーインググループに所属しており、その名前は大阪のアメリカ村とモータウンレコードを組み合わせたもの。AOR（Adult Oriented Rock）を連想させる命名も意図的です。しかし、その活動期間の大半において、小松未歩を筆頭とする少数のアーティストのみを抱える、事実上の小松未歩個人レーベルとしての側面が強かったと言えるでしょう。

メジャーレーベル時代：小松未歩を中心とした活躍

AORは、1997年春にZAIN RECORDSの関西拠点サブレーベルとして誕生しました。前身はSpoonfulレーベルで、小松未歩が「謎」でデビューしたことが始まりでした。同年7月1日にはZAIN RECORDSから独立し、Amemura O-town Recordとして本格始動。しかし、当初はSpoonfulレーベルの運営会社をそのまま引き継ぐ予定が、直前で変更されたため、小松未歩の2ndシングル「輝ける星」の規格品番も変更されるなど、慌ただしい出発となりました。販売はZAIN RECORDSに委託していました。

その後も小松未歩を中心にシングルやアルバムをリリース。椎名祐海や辻尾有紗も所属していましたが、椎名はシングル1枚のみ、辻尾に至ってはリリースはゼロに終わりました。活動は小松未歩に大きく依存しており、事実上小松未歩の専属レーベルとしての運営が主でした。小松未歩の7thシングル「さよならのかけら」を最後に、1999年4月30日にレーベルは閉鎖。GIZA studioへの吸収という形となりました。

インディーズレーベルとしての復活

それから10年以上が経過した2010年3月24日、Amemura O-town Recordの名は再び登場します。北村優希のシングル「空になって」でレーベル表記が復活し、ビーイングをディストリビューターとしたインディーズレーベルとして活動を再開しました。しかし、このインディーズ時代については、メジャー時代ほどの詳細な情報は公開されていません。

所属アーティストと作品

Amemura O-town Recordに所属したアーティストは、主に以下の3名です。

小松未歩: ZAIN RECORDS/Spoonfulから移籍。レーベルの中心的存在であり、多数の作品を発表しました。その後、GIZA studioに移籍しました。
椎名祐海: BLUE-Z Recordsでのインディーズ活動を経て、メジャーデビュー。しかし、AORでの活動はシングル1枚のみにとどまりました。
* 辻尾有紗: ZAIN RECORDS/Spoonfulから移籍しましたが、シングルリリースは叶わず、その後、芸能活動自体を中止しました。

リリースされた作品の大部分は小松未歩によるものであり、その存在なくしてはAORの歴史を語ることはできません。

まとめ

Amemura O-town Recordは、短い活動期間ながら、大阪の音楽シーンに独自の足跡を残したレーベルです。小松未歩という才能と、その周囲を取り巻く状況が、レーベルの盛衰を決定づけたと言えるでしょう。メジャーレーベルとして華々しくデビューし、短期間で活動を終了したものの、インディーズレーベルとして復活を果たしたAORの物語は、音楽業界のダイナミズムを象徴する出来事の一つと言えるのではないでしょうか。

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