American Top 40

American Top 40

概要

American Top 40（AT40）は、米プレミア・ネットワークス社（iHeart Media傘下）が制作し、世界中で放送されている著名なラジオ番組です。1970年の放送開始以来、毎週全米の最新ヒット曲を40位から順にカウントダウン形式で紹介しています。単なるチャート発表だけでなく、番組独自の構成を持ち、チャート外の話題曲や過去のヒット曲を紹介する「American TOP40 EXTRA」といったコーナーも特徴です。米国では長らく、この番組でのチャートインが楽曲ヒットの一つの目安とされ、特にビルボードチャートを世界的に有名にした功績は大きいと評価されています。ただし、現在のAT40はビルボードではなく、Mediabaseのデータを基にした放送局でのオンエア回数を加味した独自の集計チャートを採用しています。年末には年間チャート特番も放送されるのが恒例です。

歴史

AT40の歴史は1970年7月4日に始まります。初代DJは伝説的なケイシー・ケイサム。彼の穏やかな語り口と詳細な楽曲紹介は多くのリスナーを魅了し、番組は人気を博しました。1978年には楽曲演奏時間の長期化に対応して4時間番組化され、リスナーからのメッセージに曲を捧げる人気コーナー「Long Distance Dedication」もこの時期にスタートしました。1988年にケイシーが制作会社との契約問題で降板し、後任にシャドー・スティーブンスが引き継ぎますが、このDJ交代やチャートソースの度重なる変更（ビルボードからRadio & Records、Mediabaseへ）が番組の方向性を不安定にさせ、ネット局の減少を招きました。その結果、1995年1月末にシャドー・スティーブンス時代の最終回をもって、番組は一時終了しました。1998年3月、初代DJのケイシー・ケイサムの司会で番組は復活しますが、この際はかつての『Casey's Top 40』をリニューアルする形となり、ビルボードとの直接的な関係は途切れたまま、Radio & RecordsやMediabaseのチャートを使用しました。2004年1月にはケイシーが高齢などを理由に再度降板し、現在のDJライアン・シークレストが就任。ライアン体制では「Long Distance Dedication」は廃止されましたが、公式サイト開設などデジタル対応も進み、現代的な番組として続いています。

歴代DJ

番組の顔として歴史を作った主なディスクジョッキーは以下の通りです。

• - 初代：ケイシー・ケイサム（Casey Kasem, 1970年〜1988年、1998年〜2003年）
• - 二代目：シャドー・スティーブンス（Shadoe Stevens, 1988年〜1995年）
• - 三代目（現在）：ライアン・シークレスト（Ryan Seacrest, 2004年〜現在）

関連番組

AT40には、メインストリーム向けのCHR（Contemporary Hit Radio）版の他、比較的落ち着いた楽曲を扱うHot AC（Hot Adult Contemporary）版が存在します。

日本での放送

AT40は日本でも長い歴史を持ち、多くの洋楽ファンに親しまれてきました。1972年から1986年までラジオ関東（現ラジオ日本）で『全米トップ40』として放送され、湯川れい子ら日本人解説陣による独自企画も人気を博しました。1986年にFM東京（現TOKYO FM）に放送権が移行しますが、編成上の制約やネット局減少を経て1994年に終了しました。米軍放送（FEN/AFN）でも長らくノーカットに近い形で放送が続けられ、一時Rick Dees Weekly Top 40に切り替わった期間を経て、2025年1月からは再びライアン版を放送しています。日本の一般向け放送局では、2011年のZIP-FMでの放送終了以降、AFNエリア外での現行版放送は途絶えていましたが、2024年8月よりHeart FM（愛知県名古屋市）がライアン版（CHR）の放送を開始し、国内でAFN以外では唯一の放送局となりました。一方、ラジオ日本は2010年より、ケイシー時代の80年代の放送を『全米トップ40 THE 80'S』として放送しており、これも長く続いています。

日本版の主なDJ

日本語での解説や進行を務めた主なDJには、湯川れい子、坂井隆夫、山本さゆり、今泉圭姫子（旧名：今泉恵子）、矢口清治（以上、ラジオ関東/日本）、エイミー、みんしる（以上、FM東京）らがいます。その他、ローカル局担当者も存在しました。

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