Ao 192 (航空機)

アゴ Ao 192 クーリエとは

アゴ Ao 192 クーリエは、1930年代にドイツのAGO Flugzeugwerke社によって設計・製造された双発の小型航空機です。この機体は、合計でわずか6機が量産され、主に輸送業務に使用されました。

設計と開発の経緯

AGO社は1934年に再興された際、小型の多用途機の設計に取り組みました。この取り組みの一環として、アゴ Ao 192の開発が始まりました。アゴは全金属製の片持ち式低翼単葉機を採用し、モノコック構造の胴体を持っています。機体の前方には2名の操縦士が並列に座る密閉式の操縦席が配置され、後部には独立した客室があり、最大5名の乗客を搭載できます。

搭載されているのは2基のアルグス As 10エンジンで、出力はそれぞれ179 kW（240 hp）です。また、引き込み式の尾輪降着装置も装備されていました。

試作初号機の初飛行は1935年半ばに行われ、その後も試作機が続々と登場します。試作3号機は深い胴体を持ち、より多くの乗客を収容可能で、強力なエンジンや改良された降着装置を搭載しています。この試作3号機は、後に軽輸送機や救急搬送機、測量機としてのAo 192Bの基礎となりました。さらに、小型偵察機や軽爆撃機といった軍用仕様も提案されましたが、最終的にはAGO社が他社製のライセンス生産を多数受注していたことから、アゴ Ao 192はわずか6機しか生産されませんでした。

運用と歴史

製造された6機の量産型は、国家によって購入されました。特に1機はドイツ労働戦線の指導者、ロベルト・ライ専用の航空機として使用され、残りの機体は武装親衛隊やレヒリンのテスト・センターで輸送機として運用されました。

派生型について

アゴ Ao 192にはいくつかの派生型があります。最初の試作機であるAo 192 V1はアルグス As 10 Cエンジンを搭載し、次のAo 192 V2は水平尾翼を支柱で補強したモデルです。さらに改良されたAo 192 V3ではアルグス As 10 Eエンジンを使用し、胴体や降着装置も改良されています。そして、これらの試作機を基にした量産型Ao 192Bが製造されました。

要目

アゴ Ao 192Bの主な仕様は次のとおりです：

• - 乗員数：2名
• - 最大乗客数：6名
• - 全長：10.98 m
• - 全幅：13.54 m
• - 全高：3.64 m
• - 翼面積：25.04 m²
• - 空虚重量：1,640 kg
• - 最大離陸重量：2,950 kg
• - エンジン：2基のアルグス As 10空冷倒立V型エンジン（合計出力200 kW）
• - 最大速度：335 km/h
• - 巡航速度：238 km/h
• - 巡航高度：6,600 m
• - 航続距離：1,360 km

このように、アゴ Ao 192 クーリエは小型航空機としての多様な機能を持ちながら限られた生産数となった背景には、当時の航空業界の競争や他社からの発注の影響がありました。

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