Apple QuickTake

Apple QuickTake (アップル クイックテイク)

Apple QuickTakeは、Apple Computer（現Apple）がかつて販売していたデジタルカメラのシリーズ名です。この名称は、2019年9月のApple Eventで発表されたiPhone 11 Pro/Pro Maxの動画撮影機能にも再利用されています。

概要

QuickTakeシリーズは、デジタルカメラ黎明期を代表するモデルとして知られています。

QuickTake 100

QuickTake 100は、Macintosh専用のデジタルカメラとして1994年2月に発売されました。カシオQV-10よりも1年以上早く登場し、デジタルカメラの初期を飾る製品の一つです。開発時のコードネームは「Venus」でした。製造は、Appleが共同開発を行ったコダック製品を製造していたチノンの日本工場で行われており、「Made in Japan」として販売されました。

外観は、現在のデジタルカメラとは異なり、双眼鏡のような独特のデザインでした。フラッシュは内蔵されていましたが、レンズは単焦点のパンフォーカスで、CCDはビデオ用の35万画素、液晶ディスプレイやEVFは搭載されていませんでした。操作は、光学ファインダーを覗いてシャッターを押すというシンプルなものでした。記録画像は640x480ピクセル（VGA）のPICT形式で、内蔵のEPROM（1MB）に保存されます。画質は2段階に調整可能で、高画質の場合は8枚、通常画質の場合は32枚の記録が可能でした。画像の転送には、付属のシリアルケーブルを使用し、プリンタポートまたはシリアルポート経由で行いました。

当時のAppleの宣伝映像では、QuickTake 100で撮影した写真をワープロ文書に貼り付けて学級新聞を作成する、といった利用方法が紹介されていました。

QuickTake 150

QuickTake 150は、QuickTake 100の後継機種として1995年5月に発表されました。開発時のコードネームは「Mars」で、製造は引き続きコダックの提携先であるチノンが担当しました。

QuickTake 100と比較して、記録枚数が2倍に増加し、クローズアップレンズが付属しました。別売でWindows用接続キットも用意されました。また、QuickTake 100をQuickTake 100 Plus（QuickTake 150相当）に有料でアップグレードするサービスも提供されていました。

QuickTake 200

QuickTake 200は、富士写真フイルム（現富士フイルム）との共同開発によって誕生しました。富士写真フイルムのデジタルカメラ「クリップ・イットDS-8」のOEM製品であり、1997年2月18日に発表されました。Macintoshユーザー向けに、消去モードがゴミ箱になっているなど、細部にわたるアレンジが加えられていました。開発時のコードネームは「Neptune」でした。

デジタルカメラ専用設計の正方画素CCDを採用し、液晶ディスプレイや撮影モードダイヤルなどを備えており、現代のデジタルカメラに近い外観をしていました。記録媒体にはスマートメディアを使用していたため、Windows環境でも利用可能でした。Macintoshに接続すると、マスストレージクラスデバイスとして認識され、写真の転送も容易でした。

デジタルカメラ事業からの撤退

1997年、スティーブ・ジョブズがAppleに復帰し、不採算事業の整理が行われました。その結果、Appleはデジタルカメラ事業から撤退することになりました。

仕様

各モデルの詳しい仕様については、以下の外部リンクを参照してください。

外部リンク

Apple QuickTake 150 データシート
Apple QuickTake 200 データシート
* QuickTake - 意味・説明・解説 - ASCII.jpデジタル用語辞典

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