AppleWorks

AppleWorksは、かつてAppleが開発・販売していた統合ソフトウェア製品です。その歴史は、Apple II向けにRupert Lissnerが開発したことに遡ります。

開発の変遷

当初、AppleWorksはApple II向けのソフトウェアでしたが、その後、開発はAppleの子会社であったClarisに移管されました。Clarisは、Apple IIGS、Macintosh、そしてWindows向けに、後継となるClarisWorksをリリースしました。1998年には、Claris社がファイルメーカー社に改組された際に、開発と発売はApple本社に戻り、製品名もAppleWorksに戻されました。

製品の特徴

AppleWorksは、ワードプロセッサ、データベース、スプレッドシートを含む統合オフィススイートであり、家庭用Macにバンドルされていました。特に、PerformaやiMac、iBookといった一般ユーザー向けのMacにプリインストールされていたことで、多くのユーザーに利用されました。また、一時期はMacintosh版だけでなくWindows版も販売されていましたが、Windows版はクラリスワークス4までが一般向けで、米国では教育機関向けにAppleWorks 6 for Windowsが販売されていました。

機能の詳細

AppleWorks 6（2000年）では、ワープロ、ドロー、ペイント、表計算、データベース、プレゼンテーションの6つの機能が統合されていました。過去のバージョンでは、通信機能も搭載されていました。これらの機能が1つのソフトウェアで利用できることが、AppleWorksの大きな特徴でした。

販売終了とその後

Macのインテル移行に伴い、AppleWorksのバンドルは終了し、2007年8月にはiWork '08のリリースと前後して、単品販売も終了しました。Appleは、2007年8月15日にAppleWorksの販売およびサポート終了を発表しました。当時のAppleは、iWorkをリリースしていましたが、AppleWorksとのファイルの直接的な互換性は確保されませんでした。このため、AppleWorksで作成されたファイルをiWorkで開く際には、ファイル形式の変換が必要になるなどの問題がありました。

関連項目

AppleWorksの後継と位置づけられるソフトウェアとしては、Appleが開発したiWorkが挙げられます。iWorkは、Keynote（プレゼンテーション）、Pages（ワープロ）、Numbers（表計算）で構成されており、AppleWorksの各機能に対応するソフトウェアが提供されています。建前上、AppleWorks形式のファイルとの互換性があるとされていますが、実際には互換性は低いとされています。また、オフィススイートの比較という点でも、Microsoft Officeなど、他のオフィスソフトウェアと比較されることがあります。

総括

AppleWorksは、統合ソフトウェアとして、多くのユーザーに利用されましたが、技術の進歩とAppleの戦略の変化により、その役割を終えました。しかし、その存在は、統合ソフトウェアの歴史において重要な位置を占めており、Apple製品のユーザーにとっては懐かしいソフトウェアの一つと言えるでしょう。

もう一度検索