Artistic License

アーティスティック・ライセンス（Artistic License）は、Perlの開発者であるラリー・ウォールによって作成された、オープンソースソフトウェアライセンスの一種です。このライセンスは、主にPerlやParrotといったプロジェクトで採用されています。

このライセンスは、GNU General Public License（GPL）に類似した特徴を持っていますが、大きな違いとして、ユーザーがソフトウェアを修正して再配布する場合に、元のソフトウェアと同じ名前を使用することを禁止している点が挙げられます。このライセンスの名称「Artistic License」は、文学における「Poetic License」（詩的許容）という概念をもじったものであり、そのユーモラスなネーミングセンスが特徴的です。

初期のアーティスティック・ライセンスに対して、フリーソフトウェア財団（FSF）は、その曖昧さを指摘し、「いくつかの部分が利益を重視しすぎている」または「意味が明確でない」として批判しました。FSFはPerlプロジェクトに対して、アーティスティック・ライセンスとGPLのデュアルライセンスを使用することを推奨しました。

これに対し、後にFSFに勤務することになるブラッドリー・クーンが、ライセンスの不明瞭な部分を修正した改訂版を作成しました。この改訂版は「Clarified Artistic License」（明確化されたアーティスティック・ライセンス）として公開され、FSFによって承認されました。このライセンスの下で公開されているソフトウェアには、SNEeSeやFakeNESなどのエミュレーター、Paros ProxyやNcFTPなどが存在します。

その後、Perl 6におけるアーティスティック・ライセンスのあり方を見直すための議論が活発化しました。Request for comments（RFC）を通じて、Perlコミュニティ内で議論が重ねられた結果、ロベルタ・カーニーとアリソン・ランダルによって、可読性と法的明確性を高めるためにライセンスが大幅に書き直されました。この結果、Artistic License 2.0として公開され、フリーかつオープンなライセンスとして認証されるに至りました。


外部リンク

Artistic License
Artistic License 2.0

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