AsciiDoc

AsciiDocは、軽量マークアップ言語の一つであり、その最大の特徴は、人間が直接読み書きできる平文形式で文書構造を記述できる点にあります。意味論的にはDocBook XMLと等価でありながら、テキストエディタなどの身近なツールで容易に文書を作成・閲覧できるため、技術文書や出版物など、幅広い分野で利用されています。

AsciiDocの概要



AsciiDocは、文書の論理構造を定義するルールが平文形式で記述されています。これにより、特別な構文解析器を必要とせず、テキストエディタさえあれば、誰でも手軽にAsciiDocで記述された文書を作成し、内容を確認することができます。また、DocBookツールチェーンを利用することで、HTML、PDF、manページ、電子書籍、スライドなど、多様な形式への変換が可能です。

歴史



AsciiDocの歴史は、2002年にStuart Rackhamによって構想されたことに始まります。彼は、人間が読みやすい形式のファイルを、出版物に利用される形式に変換するPython製の翻訳機を開発し、公開しました。この翻訳機の登場が、AsciiDocの普及を促進する大きなきっかけとなりました。

2013年には、RubyによるAsciiDoc翻訳機の実装である「Asciidoctor」がGitHubで発表されました。Asciidoctorは、JavaエコシステムのJRubyやJavaScriptエコシステムのOpal.jsなど、様々な環境で利用可能であり、AsciiDocの利便性をさらに高めることに貢献しました。

2019年4月からは、Eclipse FoundationによってAsciiDocの標準化作業が進められています。これにより、AsciiDocの仕様がより明確になり、互換性や信頼性が向上することが期待されています。

採用状況



AsciiDocは、その使いやすさと柔軟性から、様々な分野で採用されています。例えば、オライリーメディアから出版されている書籍や電子書籍の中には、AsciiDocで組版されたものが多数存在します。また、Gitプロジェクト関連の文書の多くもAsciiDocで記述されており、技術文書の作成において重要な役割を果たしています。

マークアップ例



以下に、AsciiDocによるマークアップ例を示します。この例は、AsciiDoc処理機による出力結果を模倣したものです。

asciidoc
= ドキュメントのタイトル
著者名
:date: 2024-07-29

== セクション1

これは段落です。

=== セクション1.1

リスト:

項目1
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上記のコードは、以下のようにレンダリングされます。

ドキュメントのタイトル


著者名
日付: 2024-07-29

セクション1



これは段落です。

セクション1.1



リスト:

項目1
 項目2

これは強調されたテキストです。


関連情報



脚注



  • - このドキュメントはAsciiDocの基本的な使い方を説明しています。

関連項目




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