Avex ideak

avex ideak：短命に終わったエイベックスのレーベル

エイベックス・グループ・ホールディングス（現エイベックス株式会社）には、かつてavex ideak（エイベックス イデアック）というレーベルが存在しました。このレーベルは、角松敏生を軸に、AGHARTAのヒット曲『ILE AIYE 〜WAになっておどろう〜』をはじめ、女性ボーカルグループVOCALANDから選抜されたアーティストの作品を主にリリースしていました。

設立の経緯と短命な歴史

avex ideakの設立は、音楽プロデューサー松浦勝人の発案によるものです。松浦氏はかねてより角松敏生のファンであり、前年に高い評価を得ていた『VOCALAND』の続編制作を角松氏に打診しました。そのプロジェクト実現のため、avex ideakが設立されたのです。

興味深いのは、エイベックス傘下のレーベルでありながら、CDの規格番号が「CT」で始まっていた点です。これは、当時の東芝EMIがCDの製造と販売を担当していたことを示しています。パッケージにも、エイベックスのオーバルマークとともにavex ideakのフルネームが明記されていました。

しかし、avex ideakは当初から単発の企画レーベルという位置づけでした。1997年に行われたエイベックスの組織再編に伴い、廃止が決定されました。最終的なレーベルとしての活動は1998年まで続いたとされています。

リリース作品

avex ideakは、数多くのシングルとアルバムを世に送り出しました。その中心は、角松敏生をフィーチャーした作品とVOCALAND2出身の女性ボーカリストによる楽曲です。主なリリース作品は以下の通りです。

シングル

8cmCD
ILE AIYE 〜WAになっておどろう〜 / AGHARTA
Give it up / 吉沢梨絵 from VOCALAND
Together / 吉田朋代 from VOCALAND
Never Gonna Miss You / 吉沢梨絵 Duet with KADOMATSU T.
ALL OF YOU / 吉沢梨絵
Because you are / 吉田朋代
サヨナラはくちぐせ / 吉沢梨絵
Pride 〜真昼の月〜 / 吉田朋代
12インチ・アナログレコード
ILE AIYE 〜WAになっておどろう〜 (ORIGINAL REMIX / JOHN ROBINSON REMIX) / AGHARTA

アルバム

VOCALAND 2 〜Male,Female&Mellow〜

これらの作品は、avex ideakの短い歴史の中で、音楽シーンに独特の彩りを添えました。特に、AGHARTAの『WAになっておどろう〜』は、日本の音楽史に残る大ヒット曲となりました。

まとめ

avex ideakは、その存在期間は短かったものの、独自のアーティストと作品群によって、日本の音楽シーンに貢献したレーベルと言えるでしょう。エイベックスという大企業の傘下でありながら、東芝EMIとの提携という異色の形態をとっていたことや、角松敏生という個性的で実力のあるアーティストを起用していた点も、avex ideakを特徴づける要素です。その活動は、音楽業界におけるレーベル運営の多様なあり方を示す一例として、今もなお興味深い存在となっています。 短期間ながらも、音楽ファンに強い印象を残したレーベルとして、その歴史は記憶に留め置かれるべきでしょう。

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