B・N・F

B・N・F（ジェイコム男）とは

B・N・F（ビー・エヌ・エフ）は、1978年生まれの日本の個人投資家です。その名は、彼が2ちゃんねるで使用していたハンドルネームに由来します。メディアでは「ジェイコム男」という通称で広く知られています。

経歴

千葉県市川市出身のB・N・Fは、2000年に160万円を元手に株式投資を始めました。当時、大学生でしたが、ネットトレードに没頭するあまり、卒業に必要な単位を2科目残して中退しています。

情報収集には、2ちゃんねるの市況実況板やニュース速報板を活用し、投資一般板の株板相場師列伝スレッドにも匿名で書き込みをしていたとされています。

彼の名が広く知られるようになったのは、2005年の「ジェイコム株大量誤発注事件」がきっかけです。2008年には、日本経済新聞の一面で顔写真入りで紹介されました。

株式投資で得た資金を元に、不動産投資にも積極的に進出しています。2008年には、秋葉原駅前の商業ビル「チョムチョム秋葉原」を約90億円で、2011年には「AKIBAカルチャーズZONE」を推定170億円で購入しています。

普段は、自宅に設けた専用のトレードルームに引きこもり、一人で取引を行っています。質素な生活を送り、贅沢はしない主義で、地元に高級住宅を購入したり、両親に高級車を贈ったり、タワーマンションを購入した程度だと言われています。

エピソード

ハンドルネームの「B・N・F」は、米国の著名な投資家ヴィクター・ニーダーホッファーにちなんで名付けられました。

他人の資産運用には興味がなく、証券会社のトレーダーになるつもりはないと語っています。ソフトバンクの孫正義社長から資産運用を依頼された際も、これを断っています。

2008年のラジオNIKKEIのインタビューでは、リーマン・ブラザーズの株式を7億円分購入したものの、直後に同社が倒産し、7億円の損失を出したエピソードを語っています。この際、ショックのあまり、パソコンのモニターをリモコンで叩き壊してしまったそうです。

ジェイコム株大量誤発注事件

B・N・Fが世間の注目を集めるきっかけとなったのが、2005年のジェイコム株大量誤発注事件です。この事件では、みずほ証券の担当者が誤って「1円で61万株売り」という注文を出してしまい、株式市場が混乱しました。

B・N・Fはこの時、7,100株を取得し、その日のうちに1,100株を売却。残る6,000株（発行済み株式の41.38%）を現金決済（20億3500万円）していたことが、大量保有報告書で明らかになりました。

資産の動向

2009年6月1日、オリックスの株主総会招集通知に、B・N・Fが第9位の大株主（2009年3月末時点）として記載されました。当時の持株数は107万株で、議決権比率は1.19%でした。

発言

経済産業省の北畑隆生事務次官（当時）が、デイトレーダーを批判する内容の講演を行ったことに対し、「批判には慣れているので『またか』という印象です」と述べています。

みずほ証券が東京証券取引所（東証）に損害賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所が東証に107億円の支払いを命じたことについて、「私には関係のないことですが、個人が誤発注をしても誰も助けてくれないことに変わりはないので、私自身、これからも誤発注をしないよう気をつけるだけです」とコメントしています。

フィクションへの登場

獣医を描いた漫画『ワイルドライフ』の19巻に、株取引のプロとしてB・N・Fという名前で登場しています。

関連項目

* cis - 個人投資家。B・N・Fと交流があります。

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