B-18 (航空機)

ダグラス B-18 ボロ（Douglas B-18 Bolo）

ダグラス B-18 ボロは、アメリカのダグラス社によって開発され、1935年からアメリカ陸軍航空隊で使用された爆撃機です。この機体は、同社の民間向け旅客機DC-2の主翼とエンジンを利用し、爆撃機としての仕様に再設計されました。名称の「ボロ」は、山刀や切り裂くことを意味し、特異な造形がその名を想起させます。

概要

ダグラス B-18は、1935年に初めて空を飛び、その設計構造とコストの安さにより、アメリカ陸軍は133機を導入することを決定しました。当時の航空機としては異例の大量生産を達成しています。機体は爆弾倉を設けられたため、胴体が少し膨らんでおり、主翼はDC-2の低翼から中翼に変更されました。さらに、爆撃照準のために機首部分はガラス張りに作られており、前方視界が確保されています。防御力が考慮され、機首と胴体後部には銃座も設けられていました。

また、B-18は双発機であり、左右の主翼にそれぞれ1基ずつレシプロエンジンが搭載されています。試作機のDB-1は1935年4月に飛行し、同時期に試験を受けたボーイング社のB-17やマーチン社のモデル146と比較されました。その結果、B-18は高性能な競合機に対抗することを決定し、1937年からは部隊配備が始まりました。

B-18はそのコストが63,977ドルと安価だったため、1930年代にはアメリカ軍の主力爆撃機として位置づけられました。しかし、第二次世界大戦が始まる頃には、その性能が実戦には耐えられないものとなり、日本による真珠湾攻撃や太平洋戦争の初期には、多数が地上で撃破されました。日本軍によってもいくつかは鹵獲されましたが、その性能の低さから実質的には活用には至りませんでした。

爆撃機としての役割が果たせなくなった後、B-18は対潜哨戒機に改造されました。この改造では、尾部にMADブームが取り付けられるなどして、Uボートの脅威に対応する企画が進められました。しかし、1943年には再びその役目を終了し、以後は練習機や輸送機として利用され、戦後には一部が民間用に払い下げられました。

各型

B-18にはさまざまな型が存在し、以下のような機体が製造されました。

• - DB-1: 試作機で1機製造
• - B-18: 初期量産型で133機製造
• - B-18M: 爆撃兵装を搭載しない練習機型
• - DB-2: 動力銃塔を装備した試作機で1機製造
• - B-18A: エンジンを換装し、217機製造
• - B-18AM: B-18Aをもとにした練習機型
• - B-18B: 対潜哨戒機型で122機改装
• - B-18C: さらに対潜哨戒機型で2機改装
• - C-58: 輸送機型
• - ディグビー I: B-18Aのカナダ空軍向けバージョン

要目

• - 乗員: 6名
• - 全長: 17.6m
• - 全幅: 27.3m
• - 全高: 4.6m
• - 自重: 7,403kg
• - エンジン: ライト R-1820-53 レシプロエンジン 2基（1,000馬力）
• - 最大速度: 348km/h
• - 航続距離: 1,450km
• - 武装: 7.62mm機銃 3門、爆弾2,000kg

現存する機体と登場作品

この機体の現存例は限られていますが、漫画やアニメにも登場することがあります。たとえば、『バニーの大墜落』では、逃げたグレムリンたちが飛行機の一つとしてB-18を利用するシーンが描かれています。

関連項目

• - 爆撃機一覧
• - B-23
• - 参考文献: 第二次大戦米陸軍機全集 航空ファンイラストレイテッドNo.74 文林堂 1994年 P83

ダグラス B-18 ボロは、そのデザインと実績から多くの人々に記憶されている航空機です。

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