BBCセッション1969〜1970 サムシングス・カミング

イエスの『BBCセッション1969〜1970 サムシングス・カミング』は、プログレッシブ・ロックの先駆者であるイエスの、貴重な初期ライブ音源を収録したアルバムです。1969年から1970年にかけてBBCラジオで録音されたもので、ジョン・アンダーソン（ボーカル）、クリス・スクワイア（ベース、ボーカル）、ピーター・バンクス（ギター、ボーカル）、トニー・ケイ（ハモンドオルガン、ピアノ）、ビル・ブルーフォード（ドラム）という、オリジナル・ラインナップによる演奏を聴くことができます。

このアルバムの大きな特徴は、オリジナル・ラインナップによる唯一の公式ライブ録音であるという点です。初期イエスの貴重な演奏を記録したものであり、彼らの音楽的ルーツや初期のサウンドを知る上で非常に重要な資料となっています。

収録曲は、初期の2枚のアルバム『イエス・ファースト・アルバム』と『時間と言葉』からの楽曲が中心ですが、アルバム未収録曲である「サムシングス・カミング」（ミュージカル『ウエスト・サイド物語』のカバー）や、後に「スターシップ・トゥルーパー」の「ディシルージョン」として知られることになる未発表曲「フォー・エヴリワン」も収録されています。「サムシングス・カミング」は、イエスのデビュー・アルバムからのシングル「スイートネス」のB面としてリリースされた楽曲です。

このアルバムは、オリジナル・ギタリストであるピーター・バンクスの監修によって1997年に発表されました。彼はこれらのレコーディングの直後にバンドを解雇されたという経緯があり、ライナーノーツも彼自身が執筆しています。そのため、このアルバムは単なるライブ盤としてだけでなく、ピーター・バンクスの視点から初期イエスを捉えた作品としても興味深いものとなっています。

アメリカ盤は『Beyond and Before: The BBC Recordings 1969–1970』というタイトルでリリースされ、ヨーロッパ盤は『Something's Coming』というタイトルでリリースされました。ジャケットのデザインや収録曲順が異なる場合があります。

『BBCセッション1969〜1970 サムシングス・カミング』は、イエスの初期の勢いと実験精神を捉えた、ファン必携のアイテムです。プログレッシブ・ロックの歴史を語る上でも欠かせない作品と言えるでしょう。

収録曲
Something's Coming
Dear Father
Something's Coming
Sweet Dreams
For Everyone
Sweetness
Something's Coming
Astral Traveller
Looking Around
Everydays
Sweetness

パーソネル
ジョン・アンダーソン (Jon Anderson) – ボーカル
ピーター・バンクス (Peter Banks) – ギター、ボーカル
クリス・スクワイア (Chris Squire) – ベース、ボーカル
トニー・ケイ (Tony Kaye) – ハモンドオルガン、ピアノ
ビル・ブルーフォード (Bill Bruford) – ドラム

Yescography
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