BDAV

BDAV（Blu-ray Disc Audio/Visual）とは

BDAVは、Blu-ray Disc Recordable（BD-R）やBlu-ray Disc Rewritable（BD-RE）などの書き込み可能なBlu-ray Discで用いられるアプリケーションフォーマットの一つです。これは、DVD規格におけるDVD-VR（VRモード）に相当するもので、デジタル放送を録画・保存する際に利用されます。

特徴

BDAVの最大の特徴は、デジタル放送をそのままの形式で記録できる点です。具体的には、DR（ダイレクトレコーディング）やTS（トランスポートストリーム）記録と呼ばれる方式で、放送波に含まれる映像、音声、データ放送などの情報を、放送時と同じMPEG-2 TS形式で多重化して記録します。これにより、放送される情報を忠実に保存することができます。

また、BDAVでは、デジタル放送の映像をH.264（MPEG-4 AVC）で再圧縮して記録することも可能です。この機能を利用することで、Blu-ray Discの大容量を活かし、標準画質の映像を長時間録画することができます。さらに、多くの民生用BDレコーダーでは、コンポジット入力やS入力といったアナログ外部入力端子からの映像・音声を、MPEG-4 AVC形式で圧縮（エンコード）して録画することもできます。

BDAVは、DVD-VideoやDVD-VRと同様に、レコーダーで放送コンテンツを録画することを主な目的として策定されました。そのため、BD-Video（BDMV）にあるようなディスク固有のメニューデータをディスクに書き込む仕様にはなっていません。BDAVディスクの再生時は、ディスク内の情報を基にして、再生機器（プレイヤー、レコーダー、再生アプリケーションソフト）側で独自にメニュー表示を行います。

規格仕様

BDAVの規格仕様は以下の通りです。

動画圧縮方式:
MPEG-2
MPEG-4 AVC
音声符号化方式:
リニアPCM
AAC
AC-3（ドルビーデジタル）
DTS-HDマスターオーディオ
映像最大ビットレート: 15Mbps
システム最大ビットレート: 28.8Mbps

これらの仕様により、高画質・高音質の映像・音声データをBlu-ray Discに記録・再生することが可能です。

BDAVと関連する規格

BDAVに関連する規格として、以下のものが挙げられます。

AVCREC: DVDにHD画質映像を記録するための規格。BDAVとは異なる技術を使用。
BDMV: Blu-ray Disc Videoの略で、市販の映画ソフトなどで使用されるフォーマット。メニュー構造や著作権保護機能がBDAVとは異なる。
* DVD-VR: DVDにおける録画フォーマットで、BDAVと同様に放送録画を主な目的とする。

これらの規格と比較することで、BDAVの特徴をより深く理解することができます。

まとめ

BDAVは、Blu-ray Discにおける録画フォーマットとして、デジタル放送の記録や長時間録画を実現するための重要な規格です。その柔軟性と高い記録性能により、多くのユーザーに利用されています。放送コンテンツを高品質に保存・再生したい場合に、BDAVは最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

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