BEFORE THE DAYLIGHT

角松敏生の7作目のオリジナルアルバム『BEFORE THE DAYLIGHT〜IS THE MOST DARKNESS MOMENT IN A DAY』は、1988年2月5日にリリースされました。前作から1年8ヶ月ぶりとなる本作は、発売当時、オリコンアルバムチャートで大きな成功を収めました。

特に注目すべきは、同時期にリリースされた角松敏生プロデュースの中山美穂のアルバム『CATCH THE NITE|CATCH_THE_NITE』との1位、2位独占という快挙です。角松敏生自身のアルバムが2位、中山美穂のアルバムが1位という結果となりましたが、両作品がチャートの上位を独占したことは、角松敏生のプロデューサーとしての才能とアーティストとしての魅力を同時に示す結果となりました。

また、このアルバムは『第30回日本レコード大賞』で優秀アルバム賞を受賞しており、音楽的な評価も高く、角松敏生の音楽性を示す重要な作品の一つとなっています。

レーベルに関しては、AIR Recordsではなく、オーン・レーベルからのリリースとなっています。しかし、CD、LP、カセットテープの品番とレーベルの色はオーン・レーベルと同じである一方、オーンの表記がレーベル面にないという特徴があります。さらに、LPの盤面内周部には「RAL-8853」という原盤番号が記載されており、これはAIR Recordsからのリリースが当初想定されていた可能性を示唆しています。

楽曲についても、多くの楽曲が後にベストアルバムなどに収録され、再評価されています。「I CAN GIVE YOU MY LOVE」と「CAN'T YOU SEE」は『1988-1993』に、「CAN'T YOU SEE」、「LADY IN THE NIGHT」、「I'D LIKE TO BE YOUR FANTASY」は『THE PAST & THEN』に、「I CAN GIVE YOU MY LOVE」と「Lost My Heart In The Dark」は『EARPLAY 〜REBIRTH 2〜』に収録されています。これらの楽曲は、リテイクバージョンで収録されている場合もあります。

アルバムは全作詞・作曲を角松敏生が担当し、編曲にはPHILIPPE SAISSE、ERIC CALVI & LeMEL HUMES、LENNY WHITE、PETER SCHERER & ARTO LINDSAY、JEFF BOVA & JIMMY BRALOWERといった豪華なメンバーが参加しています。それぞれの楽曲の編曲を担当したメンバーは異なっており、多様な音楽性を生み出しています。

スタッフクレジットには、エグゼクティブプロデューサーとして角松敏生と穂積啓が名を連ねています。その他、アーティストマネージメント、アートディレクション、デザイン、写真、スタイリスト、ヘアメイクなど、多くのスタッフが関わっており、完成度の高いアルバム制作に貢献しています。

『BEFORE THE DAYLIGHT〜IS THE MOST DARKNESS MOMENT IN A DAY』は、角松敏生のキャリアにおいて重要な位置を占めるアルバムであり、彼の音楽的才能と商業的な成功を証明する作品として、高く評価されています。様々なベストアルバムへの収録や、現在でも根強い人気を持つことから、その音楽的価値は時代を超えて受け継がれていると言えるでしょう。

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