BIND

BIND（Berkeley Internet Name Domain）は、インターネット上で最も普及しているDNSサーバソフトウェアです。以前はBerkeley Internet Name Daemonと呼ばれていました。特にUnix系システムでの利用が顕著です。現在、BINDはInternet Systems Consortium (ISC) によって開発とサポートが行われていますが、その起源は1988年にポール・ヴィクシー氏がDECに在籍していた時代に開発したソフトウェアに遡ります。

現在主流のBIND9は、旧バージョンのBIND4やBIND8のコードが保守困難になったこと、そしてDNSSEC（DNS Security Extensions）への対応が必要になったことから、ゼロから書き直され、2000年にリリースされました。BIND9の主な特徴として、TSIG（トランザクション署名）、DNS notify（ゾーン変更通知）、nsupdate（動的DNS更新）、IPv6、rndc flush（キャッシュクリア）、view（ゾーン分割）、マルチプロセッサ対応、そしてアーキテクチャの移植性向上が挙げられます。

歴史

BINDは、1980年代初頭にDARPAの資金提供を受けて開発が始まりました。1980年代半ばには、DECの社員が開発を引き継ぎ、その一人がポール・ヴィクシー氏でした。彼はDECを離れた後もBINDの開発を続け、ISCの設立に関わり、ISCがBINDの保守を担当するようになりました。

BIND9の開発は、民間企業と軍の両方からの資金提供を受けています。BINDがMicrosoftのDNSサーバと競合できるように、UNIXベンダーの資金提供によって多くの機能が実装されました。また、DNSのセキュリティ強化を目的としたDNSSEC機能は、米国軍からの資金提供によって実現しました。

2009年、ISCは新しいバージョンであるBIND10の開発を発表し、マスコットキャラクターとしてBundyを選定しました。2013年2月21日にはBIND 10の初版（1.0.0）がリリースされましたが、その後の開発は難航しました。2017年2月には、BIND9のリファクタリングに注力すると発表し、事実上BIND10のスクラッチからの再開発を断念したことを表明しました。現在では、BIND9がメンテナンスされ続けています。

脚注

外部リンク

ISC BIND 公式ページ （英語）

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