BLACK ROOM

BLACK ROOM

『BLACK ROOM』（ブラック・ルーム）は、2015年に公開された日本の劇場映画作品です。監督は辻岡正人が務めています。

概要と制作背景

本作は、監督である辻岡正人の並々ならぬ情熱と、自己資金を投じることで実現しました。企画段階から完成まで約5年の歳月が費やされ、辻岡自身が企画、製作、プロデューサー、撮影監督、照明監督、美術監督、編集、脚本、監督、そして主演をも兼任するという、異例ともいえる一人十役体制で制作された点は特筆に値します。これにより、『BLACK ROOM』は、従来の枠にとらわれない「21世紀型新感覚バイオレンス官能映画」として独自の存在感を放っています。

作品世界とテーマ

その内容は、公開前から大きな話題を呼びました。本作が深く掘り下げるのは、タブー視されがちな異常性愛の世界です。この衝撃的なテーマは、観る者に強烈なインパクトを与え、倫理的な問いを投げかけます。物語は、一般的な倫理観や社会的な道徳規範から逸脱した場所に存在する「愛憎」の感情を主題としています。この複雑で時に破滅的な感情を、スタイリッシュでありながらも容赦のないバイオレンス描写を駆使し、大胆かつ赤裸々にスクリーンに映し出しています。

国際的評価

本作は、監督を務めた辻岡正人にとって、世界三大映画祭の一つに数えられるカンヌ国際映画祭への初の出品作となりました。第67回（2014年開催）での選出は、公開前から作品への注目度を高める一因となりました。

話題となった点

出演者の中では、元プロボクシング日本ミドル級王者であり、シュートボクシングの元日本スーパーウェルター級王者でもある鈴木悟が、本作で初めて俳優としてスクリーンに登場したことも、公開時の大きな注目点の一つとなりました。

キャスト

辻岡正人
夕樹ゆう
朝霧涼
手塚眞
鈴木悟
団時朗
愛染恭子
小沼雄一
増田俊樹
鈴木太一
松本准平
田島基博
堀井彩
池田光正
笠原竜司
伊藤陽佑
柴田かよこ
東山麻美
* 御茶漬海苔

（キャストは公式サイト等に基づきます。）

『BLACK ROOM』は、その挑発的な内容と、監督自身が多大な役割を担って作り上げたという特異な制作体制、そして国際映画祭での評価や話題性から、日本映画史において異彩を放つ作品と言えるでしょう。

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