BMW・N45エンジン

BMW N45エンジン：小型でパワフルな直列4気筒

BMW N45エンジンは、同社の直列4気筒ガソリンエンジンのラインアップに属するエンジンです。特徴として、可変バルブタイミングシステムであるバルブトロニックが搭載されていない点が挙げられます。これは、コスト削減や簡素化による信頼性向上などを目的とした設計上の選択だと考えられます。

N45エンジンは、先行モデルであるN42エンジンの後継として開発され、2004年に発売されたBMW 1シリーズ（E87型）の116iに初めて搭載されました。この搭載により、1シリーズはより幅広い顧客層に訴求できるようになりました。

N45エンジンのバリエーション

N45エンジンは、主に排気量によって2つのバリエーションが存在します。

1. N45B16 (2004年～)

タイプ: 直列4気筒DOHC
排気量: 1,596 cc
ボア×ストローク: 84.0 mm × 72.0 mm
圧縮比: 10.2
最高出力: 115 ps (85 kW) / 6,200 rpm
最大トルク: 15.3 kgm (150 Nm) / 4,300 rpm

この1.6L版は、比較的コンパクトで軽量な設計が特徴です。燃費性能と日常走行での扱いやすさを重視した設計と言えるでしょう。

2. N45B20S (2006年)

タイプ: 直列4気筒DOHC
排気量: 1,997 cc
ボア×ストローク: 85.0 mm × 88.0 mm
圧縮比: 情報非公開
最高出力: 173 ps (126 kW) / 7,000 rpm
最大トルク: 20.4 kgm (200 Nm) / 4,250 rpm

一方、2.0L版は、より高い出力とトルクを発生します。よりスポーティな走りを求めるユーザーに適した設定と言えるでしょう。圧縮比の情報は公開されていませんが、1.6L版と比較して、より高回転域での性能を重視した設計であることが推察されます。

N45エンジンの搭載車種

N45エンジンは、いくつかのBMW車種に搭載されました。

N45B16: BMW 1シリーズ (E87型) 116i (2004年～)
N45B20S: BMW 3シリーズ (E90型) 320si WTCC特別モデル (2006年)

特に、1シリーズへの搭載は、このエンジンをBMWの戦略的モデルへと押し上げました。WTCC特別モデルへの搭載は、N45エンジンの潜在能力の高さを示しています。

まとめ

N45エンジンは、バルブトロニック非搭載という設計上の特徴を持ちながらも、高い信頼性と扱いやすさを両立したエンジンです。1.6Lと2.0Lの2つのバリエーションが存在し、それぞれの排気量によって異なる特性を持つことで、多様なユーザーニーズに対応できる設計となっています。BMW 1シリーズや3シリーズといったモデルへの搭載実績からも、その高い信頼性と性能の高さが伺えます。

もう一度検索