BMW・V12 LM

BMW・V12 LM: ル・マンの挑戦

BMW・V12 LMは、1998年に開催されたル・マン24時間レースに向けて、BMWとウィリアムズが協力して開発したハイパフォーマンスのプロトタイプレーシングカーです。この車両は、BMWの長年のモータースポーツの知見を生かした革新技術とデザインを特徴としています。

背景

このマシンの誕生には、BMWのモータースポーツへの情熱が深く関わっています。1995年、BMWはマクラーレンと提携し、マクラーレン・F1 GTRを通じてレース活動を開始しました。このモデルには、BMWが開発した6.0リットルV12気筒エンジン（BMW S70/2型）が組み込まれ、翌年にはル・マン24時間レースでの勝利を収めました。しかし、その後の1996年と1997年では、他の強力なライバル、特にポルシェやメルセデスに対して苦戦を強いられました。

V12 LMの開発

1998年、BMWは新しい時代の挑戦として、マクラーレンのGTマシンから一線を画し、オープントップのプロトタイプレーシングカーであるLMP1を開発しました。この新型車両がBMW・V12 LMです。エンジンは前記の6.0リットルV12気筒BMW S70/2型を引き続き採用しつつ、シャシーはウィリアムズによって設計されました。

この車両の外観には、BMWの象徴であるキドニーグリルをモチーフとしたエンブレムが施されており、視覚的にもBMWのブランドアイデンティティを強調しています。

ル・マンデビュー

1998年のル・マン24時間レースで、BMW・V12 LMはデビューしました。この年は、メルセデス、ポルシェ、トヨタ、日産など、5つのファクトリーチームが競い合う激しい戦いとなりました。予選では6番手と12番手を獲得したものの、決勝時にはリタイアに至りました。原因は不明のバイブレーションに苦しみ、後にF1用のホイールハブベアリングの焼き付きが原因と判明しました。

次のステップ

BMW・V12 LMの経験は、1999年に新たに開発された進化版、V12 LMRへと引き継がれました。このモデルはレースにおいて成功を収め、ル・マンを制覇する成果を挙げました。また、V12 LMはその後、トーマス・ブシャーに売却され、デビッド・プライス・レーシングと連携して再びル・マン24時間レースやアメリカン・ル・マン・シリーズに出場しました。

この期間中、V12 LMはニュルブルクリンクで4位に入賞し、チーム郷もル・マンにエントリーしましたが、残念ながらリタイアとなりました。さらに、チーム郷はル・マン富士1000kmに出場し、日産やトヨタに次ぐ3位に入賞するという成果を残しました。

まとめ

BMW・V12 LMは、BMWとウィリアムズのコラボレーションの下、レースへの熱き挑戦の象徴として位置づけられ、後のレース活動における重要なステップとなりました。車両の設計や性能は、BMWのモータースポーツにおける革新性と情熱を示し続けています。

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