BMW・XM

BMW XM：Mブランドの新たな旗艦SUV

2023年、BMWはMブランド初のプラグインハイブリッド(PHEV)モデルであり、1978年のM1以来となる専用モデル、XMを発表しました。フロリダ州で開催されたアート・バーゼル・マイアミでコンセプトモデルが初公開され、その後、量産モデルが発表、スパータンバーグ工場で生産が開始されました。日本市場では2023年1月に販売が開始されています。

開発とコンセプト

当初はX7をベースとしたSUVクーペとして企画されましたが、大型高級SUV市場の動向を踏まえ、Mブランドの販売モデルとして開発されました。この意思決定は、Mブランドのスポーツ性能と高級SUVの利便性を融合させるというBMWの戦略を反映したものです。

エクステリアデザイン

XMは、BMW Mモデルのデザイン言語を継承しつつ、独自の個性を際立たせています。特徴的なのは、ゴールドのアクセントが施された大型のキドニーグリルと、それを囲むコンターライトです。リヤビューでは直線的なテールライトや、リヤウインドウコーナーに刻まれたBMWロゴが、伝統を現代的に解釈したデザインとなっています。全体として、力強く、高級感のあるスタイリングは、他のSUVとは一線を画しています。

インテリアと快適性

インテリアは、ドライバーと乗員に最高の快適性と先進的なテクノロジーを提供するよう設計されています。BMWカーブドディスプレイはデジタルメーターとセンターディスプレイを一体化し、直感的な操作性を実現しています。ヘッドアップディスプレイもM専用グラフィックに対応しています。後席は「Mラウンジコンセプト」に基づき、ダイヤモンドステッチのアルカンターラ製クッションなど、上質な素材と洗練されたデザインが用いられています。さらに、立体的なプリズム構造のルーフライニングと間接照明は、XMならではの特別な雰囲気を作り出します。

エンジンと性能

XMの心臓部は、4.4L V8ツインターボエンジンと、ZF製の8速AT（Mステップトロニック）に統合された電気モーターによるPHEVシステムです。ベースグレードでは、V8エンジンが489PS/650Nm、電気モーターが197PS/280Nmを発生し、システム全体で653PS/800Nmという圧倒的なパワーを誇ります。0-100km/h加速は4.3秒、最高速度はMドライバーズパッケージにより270km/hに達します。29.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、約90kmのEV走行が可能です。

2023年4月には、入門グレードとなる「XM 50e」と、ハイパフォーマンスモデルの「レーベル・レッド」が発表されました。「XM 50e」は、3.0L直6エンジンと電気モーターの組み合わせで476PS/700Nmの出力を発揮します。「レーベル・レッド」は、エンジン出力が585PS/750Nmに向上し、システム全体で748PS/1,000Nmという驚異的なパワーを実現。0-100km/h加速は3.8秒、Mドライバーズパッケージ装着時には最高速度290km/hに達します。世界限定500台という希少性も魅力です。

まとめ

BMW XMは、Mブランドの伝統と革新的な技術が融合した、まさにフラッグシップSUVと言えるでしょう。その高い性能、洗練されたデザイン、そして快適な室内空間は、ドライバーに究極のドライビング体験を提供します。PHEVシステムによる環境性能も高く評価できる点です。世界限定モデルのレーベル・レッドは、特別な一台を求めるコレクターにも最適な選択肢と言えるでしょう。

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