BREAK THROUGH

B'z 3rdアルバム『BREAK THROUGH』

『BREAK THROUGH』は、B'zが1990年2月21日にリリースした3枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、B'zが所属するBMGルームス（現VERMILLION RECORDS）設立後も、発売権はソニー・ミュージックダイレクトのGT musicに残されました。

アルバムの特徴

キャッチフレーズは「感性が誘惑された。創造力が突き抜けた。」。初回盤にはCDケースを入れる紙製の箱が付属し、ディスクレーベルはジャケットのロゴを使った専用デザインになりました。また、B'zのオリジナルアルバムとしては初めて、裏ジャケットに収録曲が記載されず、帯にのみ記載されています。

アルバムのテーマはタイトル通り「突き抜ける」。歌詞には「BREAK THROUGH」と同じ意味の言葉が随所に登場します。また、ラップやヒップホップの要素を取り入れるなど、当時としては実験的な試みがなされています。作詞を担当した稲葉浩志は、独自の作詞スタイルを確立するため、ロックでは敬遠されがちな言葉や口調を積極的に取り入れたと語っています。また、このアルバムまではイマジネーションだけで作詞をしていたとも述べています。

本作からバンドスコアが発行されるようになり、バンドスコア『BREAK THROUGH+BAD COMMUNICATION』には、『BREAK THROUGH』の楽曲に加え、「BAD COMMUNICATION」も収録されています。

『BREAK THROUGH』は、シングルと同時発売された最後のオリジナルアルバムです。また、シングル曲が1曲目に収録される形式は、32年後の22ndアルバム『Highway X』までありませんでした。カップリング曲（2nd beat）も、15年後の14thアルバム『THE CIRCLE』まで収録されなくなります。

実験的に発売したミニアルバム『BAD COMMUNICATION』がロングヒットしていたこともあり、『BREAK THROUGH』はB'zにとって初のオリコンTOP10入りを果たし、最終的に72万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。

1997年発売の非公式ベストアルバム『Flash Back -B'z Early Special Titles-』には、「B・U・M」「BOYS IN TOWN」「HEY BROTHER」「今では…今なら…今も…」を除く7曲が収録されました。2018年には、結成30周年を記念して、『DINOSAUR』までのオリジナルアルバムと共にアナログレコード化されています。

収録曲

1. LADY-GO-ROUND
2. B・U・M
3. BREAK THROUGH
4. BOYS IN TOWN
5. GUITARは泣いている
6. LOVE & CHAIN
7. となりでねむらせて
8. HEY BROTHER
9. 今では…今なら…今も…
10. SAVE ME!?
11. STARDUST TRAIN

楽曲解説

LADY-GO-ROUND: 3rdシングルの表題曲。
B・U・M: 全英詞のラップ調の楽曲で、演奏時間は1分25秒と短い。歌詞の「Here we are B'z & the Funky Crew」は、B'zの音楽制作集団「B+U+M」（B'z Unreal Music、1994年解散）のことを指しています。
BREAK THROUGH: アルバムの表題曲。
BOYS IN TOWN
GUITARは泣いている
LOVE & CHAIN: 3rdシングルのカップリング曲。
となりでねむらせて
HEY BROTHER: 歌詞にシボレー・コルベットが登場します。曲のエンディング部分の笑い声は、阿部薫によるものです。
今では…今なら…今も…: 後に『B'z The "Mixture"』でリメイクされました。松本孝弘が1曲を通してコーラスを担当したのはこの曲のみです。
SAVE ME!?
STARDUST TRAIN: 歌詞は不倫をテーマにした内容です。

参加ミュージシャン

松本孝弘：ギター、コーラス（#9）、作曲・編曲
稲葉浩志：ボーカル、コーラス、作詞
明石昌夫：コーラス、編曲
青山純：ドラム（#4,5,9,11）
増田隆宣：キーボード（#11）
坪倉唯子：コーラス
阿部薫：コーラス
広本葉子：コーラス

外部リンク

B'z DISCOGRAPHY 『BREAK THROUGH』 ※楽曲の試聴が可能です

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